幸せのお裾分けに（sgi/苗字設定が必要です） ページ12
(2020年12月の話です。一つ前の「比翼連理の君と僕」の続きのような感じです)
今日は福良さんの結婚式だ。クローゼットから取り出したボルドーのドレスを着るのはこれで三回目。私ももう二十六歳な訳で、周囲の人間が結婚する率も上がってくる頃合いだ。そろそろ新しいパーティードレスを買っておいた方がいいかも知れない。
QuizKnockの内部からは特に付き合いの深いメンバーと、長く勤めている社員が招待された。勿論batonの人間も含むので私はそちらの部類になるが、まあ大きな括りでQuizKnockの人間という事だ。
式場に着いて受付を済ませ、合流した皆と入ったチャペルは、正面の大きな硝子窓の向こうにお台場の海を臨む素敵な所だった。事前に福良さんに聞いた話では、どうやら告白もプロポーズもお台場だったのがこの式場にした理由らしい。節目が全て同じ場所だなんて、なかなかにロマンチックではないだろうか。
伊沢さんの司会で滞りなく式は進み、チャペルから外へと移動した私たちに、フラワーシャワー用の薔薇の花びらが配られる。伊沢さんの薔薇に関する軽い蘊蓄を挟みつつ、再登場した新郎新婦に花びらの雨を降らせると、更にその後にはブロッコリートスの時間が設けられていた。
新婦のブーケトスの前に、新郎がブロッコリーを投げるという、なかなか意味不明な催しだ。少なくとも私がこれまで出席した事のある結婚式ではそんなイベントは無かったが、どうやら最近そこそこメジャーになってきているらしい。
それにしても、ニコニコと満面の笑みでブロッコリーのブーケを手にする福良さんの姿は、彼の野菜嫌いを知っているとなかなかにシュールだ。ゲストに向かって投げるより、今からあのブロッコリーを福良さんが食べる方が、余程ウケるのではないだろうか。まあいいけど。
「行くよー！ せーの！」
後ろ向きになった福良さんが大きく肩を回し、ブロッコリーブーケを放り投げる。男性陣が集う場所に綺麗な放物線を描いて飛んだブロッコリーに、かなりの勢いで喰らいついたのは渡辺くんだった。なんと、そのままブロッコリーをゲットしてしまったのだ。
「よっしゃー！ 取ったー！」
ブロッコリーブーケを掲げて大きくガッツポーズを取った後、別にカメラの前でもないのに両腕をブンブンと振り回している。ナチュラルこうちゃんムーブだ。その様子が何だか微笑ましくて、つい笑ってしまった。
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奈都(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。それぞれの気持ちに寄り添って書いてきたつもりではあるので、感情移入して頂けているととても嬉しいです。やっぱり最終的にはきっちりゴールインしてほしい…！と思いつつ亀の歩みですが、これからも見守って頂けると幸いです。 (2021年10月1日 22時) (
レス) id: 1ea9b7d420 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新に歓喜です‼︎Gravityから読ませていただいている側としては感情移入しすぎて、若干泣きそうになりましたが、結婚考えてくれてたんだとホッとしました(笑)何度読み返してもキュンとできる奈都さんの小説、、私の元気のもとです！ (2021年9月26日 2時) (レス) @page31 id: 1f7bb03b81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奈都
| 作成日時：2021年1月31日 13時
