94. そうするしか ページ41
――私たちは一旦車に戻って、祐也にぃの話を聞くことにした。
祐也「オレが高3で、お前らが中1の時。覚えてるか？」
万里「…ああ」
祐也「あの時、オレは…Aのことが好きだった」
――突然、そう告げられた。
…頭の奥を何かで強く殴られたような衝撃だった。
A「…う、そ……」
祐也「本当だ。…5つも年下の女の子に惚れるなんて、自分でも信じられなかったけどな」
万里「なら何で…！」
祐也「…あの時は、ああするしかなかったんだ」
祐也にぃがスマホを取り出し、写真を見せた。
…そこには祐也にぃと、どこか儚げな雰囲気の女の人が写っていた。
祐也「川野菫。オレの後輩で…オレの事を好きになってくれた子だ」
万里「…もしかしてさっきの…彼女、だったのか？」
祐也「…ああ」
スマホを胸ポケットに直し、大きく息を吐いた。
祐也「菫は心臓を病んでいて、余命宣告されてた。…25歳までしか生きられないだろう、ってな」
A「…そんな……」
祐也「…宣告された日、菫は言ったんだ。残りの人生、オレと一緒にいたい、って」
…祐也にぃが掌で顔を覆った。
祐也「オレは、その願いを叶えてやりたかった。…だからあの時、涙が出るくらい嬉しかったお前の告白も、断った」
…そんな、そんなことがあったなんて。
(なのに私……)
――無神経だ。
祐也「…けど菫は2年前、信号無視の車に突っ込まれて…そのまま…」
A「…祐也にぃ……」
祐也「まだ、もっと長く、生きられたはずなのに…」
祐也にぃの目には、うっすら涙が浮かんでいた。
悔しそうに、ハンドルを握りしめる。
万里「…何でこの話、オレたちに？」
祐也「…菫は気づいてた。オレには、忘れられないヤツがいるって」
A「忘れられないヤツ…？」
祐也「…菫のこと、好きだったよ。けど、オレの頭の奥には、いつもソイツがいたんだ」
祐也にぃが後ろを振り返り、私を見据える。
祐也「Aのことが、ずっと忘れられなかった。…オレは、昔も今も、Aが好きだ」
A「っ…！」
万里「ちょ、待てよ！Aには至さんが…！」
祐也「知ってる。けど、決めるのはAだ」
A「…祐也にぃ、私は…」
祐也「今言わなくていい。ゆっくり考えてくれ」
…そんなこと、言われても…。
私は至さんのことが…。
祐也「…暗い話になって悪かったな。帰るぞ」
…そうして、寮に向かって車を走らせた。
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Mina(プロフ) - 姫林檎さん» ひめりんごさん！嬉しいお言葉ありがとうございます！( .. ) 亀更新ですみません…(泣) これからもがんばります(^^♪ (2017年10月28日 9時) (
レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎 - Mina様初めましてひめりんごと申します。毎度毎度更新させれるのを楽しみにしていますヾ(●´∇｀●)これからも頑張ってください！ (2017年10月28日 1時) (レス) id: 30815a9d4d (このIDを非表示/違反報告)
Mina(プロフ) - pineさん» すみません！外しておきますね。ご指摘ありがとうございます！ (2017年9月7日 17時) (レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
pine(プロフ) - オリフラ外してくださいね (2017年9月7日 6時) (レス) id: 3bc5a1844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mina | 作成日時：2017年9月7日 1時
