72. 応えられない ページ19
――ケーキ屋さんに着いた。
至さんには車の中で待っててもらって、ケーキを選ぶ。
(…兵頭くん、どんなケーキが好きかな)
兵頭くんのことだから何でも美味しいんだろうけど、せっかくなら好きな味をあげたい。
ウィンドウを端から端までじーっと眺める。
「お決まりですか？」
悩んでると、店長らしきおじさんが声をかけてくれた。
A「ちょっと悩んでて…オススメは何ですか？」
「そうですね…今日はガトーショコラが上手く焼けてますよ」
言われて目をやると、シンプルな四角形で、見た目がしっとりしていて、とても美味しそうだった。
A「コレ、いいですね。大きいし、こういうの好きそう」
「贈り物ですか？」
A「…はい」
「そうですか。こちらでお決まりですか？」
A「はい、お願いします」
おじさんがケーキを丁寧に箱に移し替える。
…その一連の仕草を見ながら、兵頭くんのことを考えた。
――あの時…兵頭くんが起きてなかったら、私はどうなってたか分からない。
兵頭くんがいなかったら、こんな思いをすることも、知らなかった。
「おまたせしました。どうぞ」
A「ありがとうございます」
代金を支払いケーキを受け取る。
――兵頭くんに、伝えなきゃいけないことがある。
至「おかえり。ケーキ買えた？」
A「はい。わざわざ付き合ってもらってすみません」
車に乗ってシートベルトをして、至さんにお礼を告げる。
至「いいよ。…ねぇ、聞いてもいい？」
A「何ですか？」
至「…それ、十座にあげるヤツ？」
A「っ……！」
(至さん、気づいてたんだ…)
そう思ったのが表情に出てたのか、至さんがフッと表情を緩める。
至「ビンゴ。…こーいう勘は当たるから、オレ」
A「…さすがです」
…何となく、後ろめたい気持ちになる。
気まずい沈黙が流れ、それを切ったのは、至さんからだった。
至「…今、告白の返事聞いてもいい？」
A「えっ…」
至「…オレは、Aが好きだよ」
――重みのある、一言。
胸の奥が、強く締め付けられた。
(私…私は……)
切なげにジッと見つめてくる、至さんの瞳。
――その眼差しに向き合う。
A「…ごめんなさい。今、至さんの気持ちには、応えられないです」
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Mina(プロフ) - 姫林檎さん» ひめりんごさん！嬉しいお言葉ありがとうございます！( .. ) 亀更新ですみません…(泣) これからもがんばります(^^♪ (2017年10月28日 9時) (
レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎 - Mina様初めましてひめりんごと申します。毎度毎度更新させれるのを楽しみにしていますヾ(●´∇｀●)これからも頑張ってください！ (2017年10月28日 1時) (レス) id: 30815a9d4d (このIDを非表示/違反報告)
Mina(プロフ) - pineさん» すみません！外しておきますね。ご指摘ありがとうございます！ (2017年9月7日 17時) (レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
pine(プロフ) - オリフラ外してくださいね (2017年9月7日 6時) (レス) id: 3bc5a1844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mina | 作成日時：2017年9月7日 1時
