82 大我side ページ33
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夜20時前。
Aの搬送された病院に着いて、受付に行くと、面会時間が20時までと告げられる。
あと数分しかない。
大我「…じゃ、20時まででもいいので、部屋まで行っていいですか?」
Aに会えるなら、少しだけでもいい。
すると看護師さんは困った顔をしながら、
看護師さん「…本当はだめですけど。」
そう言って、俺に面会用のカードと紙を渡される。
その紙には、【面会時間:19時57分〜20時30分】と書かれていて、終了予定時刻の20時を余裕で過ぎていた。
俺は、はっとして看護師さんの顔を見る。
看護師さん「今回だけですからね」
見て見ぬふりをしてくれて、看護師さんはAの部屋番号を教えてくれる。
俺はお礼を伝えて、急いで彼女の部屋まで向かった。
...
まだ塾長いるかな。
彼女の部屋の前について、そっとドアを開くと、彼女以外誰もいる様子はなかった。
きっと塾長もコテージに戻ったのだろう。
部屋に入って、彼女が寝ているだろうベットまで歩いていく。
彼女の口にはたくさんの管が繋がれていて、横には緑色の数字が出る機械にも繋がっていた。
すやすや気持ちよく寝ているようだった。
……まだ、目覚めていないんだ。
心拍音と共に、ピッピッと音が鳴っていることくらい俺にでも分かる。
意識はあるんだ、よかった。
ベットの横にあった椅子に腰をかけて、まだ目を覚まさないAの前髪に触れて、手を握る。
大我「……ごめん、」
そう呟くと、彼女の手がきゅっと強くなった気がした。
大我「……A…?」
まるで、謝らないで、とでも言うようだった。
でも俺が今問いかけても、何も帰ってこない。
気のせいか。
俺はポケットにずっと入れていた、Aが書いてくれた俺の似顔絵を出して、お守りを作る。
よく俺が小さい頃に母親がお守りを作ってくれた。
大会の前も、入試前も、大事な日の前には必ず作ってくれる。
それを今度は、Aの体調が良くなりますように、と想いを込めて、紙に【お守り】の字を書く。
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りこ - すごい面白いです!また交換していただけると嬉しいです (2020年4月27日 9時) (レス) id: 4d62ada711 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2019年9月7日 0時) (レス) id: dc867d738f (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん。 - とても、面白いです。更新待ってます。 (2019年8月4日 8時) (レス) id: 94770c9e14 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん。(プロフ) - annintamtamさん» コメントありがとうございます!今後も楽しんでいただけるように頑張ります!!! (2019年7月20日 11時) (レス) id: c0f86098d8 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん。(プロフ) - ゆなさん» コメントありがとうございます!大好きだなんて、嬉しくてにやにやしちゃいますっ笑 頑張りますので応援よろしくお願いします♪ (2019年7月20日 11時) (レス) id: c0f86098d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつみかん00 | 作成日時:2019年7月6日 19時