私たちの秘密事。２

53 ページ4

.







大我と2人でコソコソと話していると、







慎太郎「そこの君たち！」







大きな声でしんちゃんに叫ばれる。







慎太郎「もしかして、俺を悪者扱いにしていないかい？」







大我「あ、してる」←







慎太郎「いやいやいや、俺だって補講したくてしてるわけじゃねえから！」






なんだか、しんちゃんが会話に入ると全部コントのようになる。






しんちゃんは元から教師志望らしくて、そんな変なことをする先生じゃないのは知ってる。






でも、そういうキャラにされちゃうあたりが、しんちゃんだ。









...









それからご飯を食べ終えて、レク組と補講組に分けられる。






大我が外に出る前に、私のところに寄ってきて耳元で、







『必ず携帯持っていけよ』







とだけ言う。






大我はしんちゃんのことを心配しすぎだ。





やっぱり彼は人一倍心配性なのだと実感する。







でも、私も大我と一緒に花火したかったな〜なんて思いながら、しんちゃんの待つロビーに向かう。









...









「なんで私たち補講なの…」



「はぁ……」




『頑張ろうね…』






補講組の3人で深いため息をついていると、しんちゃんがくる。






慎太郎「ごめんお待たせっ。よし、補講始めるぞ」







しんちゃんは熱血教師みたいで、熱く教えてくれる。





しかも分かりやすいから、将来教師として働いているのが想像つく。







補講を始めて1時間が過ぎた時。








「ぎゃははは〜」








窓の外から笑い声が沢山聞こえる。





ふと、窓の外を覗くとレクをしている子達が楽しそうに手持ち花火で遊んでいた。





いいな…わたしも遊びたい。








ぺしっ







慎太郎「こらっ、集中するぅ！」








しんちゃんの紙で軽く叩かれる。








『…はーい、』







目線を窓から書類に戻そうと思った時、大我が楽しそうに花火をしているのを見かけた。







……あんなに、さっきまで心配してくれてたのに。







大我は女の子ときゃっきゃっしちゃって、楽しそうにしているのが今の私には辛い。








「ほかのクラスの子は補講ないの？」








一緒に補講を受けてる子がしんちゃんに問いかける。







慎太郎「他のクラスは今日はないらしい。俺らだけだな！」







「え〜最悪、、」







慎太郎「ちょっ、最悪とかやめなさいよっ傷つく」









.

54→←52

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す