たいやきが六匹 ページ7
マイキーside
「あ、あれ……？」
ケンチン、場地、千冬、三ツ谷のみんなで駄弁っていると微かに声が聞こえた。
振り返ると野郎に囲われて気を失ってたたいやき屋の女の子がゆっくりと起き上がっていた。
｢お、オネーサン気が付いた｣
オレが声をかければ女の子はまじまじとオレの顔を見つめる。混乱してんのかな？
「お前、チンピラに囲われて気ィ失ってたんだぜ」
いまいち状況を飲み込めていない彼女に場地が話しかけた。
「あ…そうだ私……！」
自分が襲われかけたことを思い出したのか女の子の顔は青ざめた。
「あ、あの、本当に助けて下さってありがとうございました...」
「いーのいーの。アイツら丁度こないだオレらに喧嘩ふっかけてきた所だったし」
辺りは既に真っ暗で、ガラケーを覗けば既に七時を回っている。
「あの、ここはどこですか？神社？」
「武蔵神社ッスよ」
「運んできたのはコイツな」
三ツ谷がドラケンを指差す。
「あ、こないだの…！す、すいません…！きっと重かったですよね！！」
「いや、むしろちゃんと食ってんのか心配になるくらいには軽かったが？」
ようやく落ち着いてきたのか、女の子はこの間の様な柔らかい微笑みを浮かべていた。
良かったと思う反面、その笑顔がケンチンに向いていることに少し心がつっかかる。
「オレが最初にオネーサン襲われてんのに気が付いたんだぜー？」
少し拗ねたように言えば彼女はもちろん貴方にも感謝してます！と慌てたように言った。
「おいマイキー、あんま困らせてんじゃねェぞ？」
おもしれーじゃん、なんて思っているとすかさず場地に突っ込まれる。
「何かお礼もしたいですし、皆さんのお名前をお伺いしても良いですか？」
名前を聞かれたので一人ずつ自己紹介をしていく。もちろんオレのことはマイキーって呼ぶように言った。
「お姉さんは名前なんて言うんスか？」
千冬が彼女に名前を聞く。
「あ、ええと、桃城Aです！北高の一年で、その、たいやき屋でバイトしてます」
いきなり質問された彼女はテンパりながらも自己紹介をしてくれた。1コ年上か。
「にしても、よくお前逃げなかったなァ！」
「あぁ、遠目から見てたけど自分より強ぇヤツに声張れるって中々できるモンじゃねぇよ」
さっきのことについて場地と三ツ谷が褒める。
「え、ちょ、Aさん！？」
するとAはその綺麗な瞳からぽろぽろと大粒の涙を流した。
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切猫(プロフ) - イチゴミルクさん» コメントありがとうございます(^^)本作を楽しんで頂けて嬉しい限りです！灰谷兄弟とても迷っていたので参考になります…!三途君はちゃんと夢主と絡ませるつもりですので楽しみにお待ちください♡ (2022年10月9日 18時) (
レス) @page17 id: 4abe33d0e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク(プロフ) - 初コメ失礼します！夢主ちゃん可愛すぎるっ…三ツ谷君とかもちょいとタジタジになってるの尊…オチに関してなのですが，三途君か灰谷兄弟見てみたいなと…希望なので，他の方々でも全然有りです！！！無理しない程度に更新頑張って下さい！応援しておりますっ (2022年10月9日 16時) (レス) @page17 id: 4b77fe0276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：切猫 | 作成日時：2022年10月2日 10時
