たいやきが五匹 ページ6
何で、身体が動いたのは分からない。
けど、女の子が襲われる、と思った瞬間気が付けばチンピラの肩を掴んでいた。
「Aちゃん…?」
とりあえず今のうちに女の子達に逃げるよう指で合図する。
女の子達を庇うようにしてチンピラ達の前を立ち塞いだ。
これからどうすればいいかなんて全く検討がついていない癖に。
「そっから何が出来るってんだよ」
「何も…出来ない」
「あぁ?じゃあねェちゃんがコイツらの分まで相手してくれんのかァ?」
「…………嫌だ」
「なら大人しくしとけってんだよ!!!」
(流石に一人じゃどうにもできないよなぁ……)
私、生きてられるかな、と自嘲気味に心の中で笑う。
横目でみんなを見れば私が話をしている間に上手く逃げたのが分かった。
「おー良くみりゃ凄ェ美人じゃねェか!いいじゃんオレらもアガッてきたしお前もアイツらの分まで楽しませてくれよ?」
震える脚を押さえつけるように踏ん張る。
「私は!!!!何も抵抗せずに貴方達みたいな奴らにやられる気は一切ないから!!!!!」
意味はないと分かっているが、それでも諦めたくない私は落ちていた鉄パイプを持って構える。
「ははっ!震えちゃってカワイー」
けど大人しくしてて貰うぜ、とリーダー格の男が言うと一気に五人私に襲いかかってきた。
男の一人が私に拳を振り下ろしてくる。
(流石に襲われる、かな…)
怖くて鉄パイプを硬く握り、目をぎゅっと瞑る。
だが振り下ろされると思った拳が私に当たる事は無かった。代わりにドガッという重い音が響く。
「あ、あれ、私…」
深呼吸をしながらゆっくり目を開ける。私を殴ろうとした男は気絶していた。
「オネーサン大丈夫?」
「!!!貴方はあの時の!」
私を助けてくれたのは数日前にたい焼きをたくさん褒めてくれたヤンキーの男の子とその仲間(?)達だった。
「アンタらさぁ、オンナ一人にこんな五人もムキになっちゃって、恥ずかしくねぇの?」
「んだテメェ!」
「お前らのやってっ事は外道なんだよ、なァ千冬ゥ?」
「場地さんコイツらノシていいっすか?」
それからはあっという間だった。それぞれが各々チンピラをボコボコに殴って、気が付けば全員倒れていた。
「お、おい!オネーサン!?」
とりあえず助かった事に気が抜けた私は、どっと疲れが押し寄せたせいか気を失ってしまった。
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切猫(プロフ) - イチゴミルクさん» コメントありがとうございます(^^)本作を楽しんで頂けて嬉しい限りです!灰谷兄弟とても迷っていたので参考になります…!三途君はちゃんと夢主と絡ませるつもりですので楽しみにお待ちください♡ (2022年10月9日 18時) (レス) @page17 id: 4abe33d0e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク(プロフ) - 初コメ失礼します!夢主ちゃん可愛すぎるっ…三ツ谷君とかもちょいとタジタジになってるの尊…オチに関してなのですが,三途君か灰谷兄弟見てみたいなと…希望なので,他の方々でも全然有りです!!!無理しない程度に更新頑張って下さい!応援しておりますっ (2022年10月9日 16時) (レス) @page17 id: 4b77fe0276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:切猫 | 作成日時:2022年10月2日 10時