たいやきが三匹 ページ4
マイキーside
ケンチンから袋を受け取ったオレは中のたい焼きをひとくちかじる。
「!!これうまっ」
ひとくち食べたたい焼きは今までで一番の味だった。ちょっと冷めかかっているのに。
「だろ?あんこめっちゃ多いしよ、焼き立てはもっと美味かったぜ?」
「しかも店員のお姉さんがチョーカワイイんすよ!!!」
「ヒナちゃんいんのに浮気かぁ?」
「ドラケンくん違いますよ!!!」
2人の会話を無視してたい焼きを頬張る。
「え、もう食ったのか?」
「………」
「マ、マイキーくんどしたんすか?」
「………行く」
「「え?」」
「これからたい焼き屋行く」
「「は!!!???」」
「タケみっち、案内しろ」
「え、オレ!?マイキーくん、今もう五時半っすよ!?」
「いいから」
良くねえっスよ!!と叫ぶタケみっちを引っ張ってバブのケツに乗せる。
たかがたい焼き1コなのに、どうしてかその店に行かなくちゃいけない気がした。
「いらっしゃいませー……ってアレ!?さっきの!?」
「お姉さんごめんなさい…また来ちゃいました」
「なんか私やらかしちゃいました!?」
見るからに慌てる店番の女の子をみてタケみっちも分かりやすく慌てる。
「ち、違いますよ!?え、えっとこの人がお姉さんのたい焼きがめっちゃ美味すぎて食い足りないって…」
「あぁなんだ良かった…………あれ、あの、そちらの方は?」
タケみっちと話していた女の子はオレの方を向く。サラサラの黒髪にぱっちりした目が印象的な綺麗な女の子だった。
「あ、オレ?さっきオネーサンのたい焼き食ったんだけど、今まで食った中で一番美味いたい焼きだったから思わず来ちゃったってだけ」
「今までで一番ですか!?え、ほ、ほんとに!?」
さっきまであからさまに青い顔をしていたのに女の子のたい焼きを褒めると頬を赤く染め照れ臭そうに俯いた。
「最近ようやくひとりでたい焼き焼けるようになって、お客さんに褒めて頂いてとっても嬉しいです」
「あ、自分の話なんかしちゃってごめんなさい!えっとたい焼きいくつになさいますか?」
「5コ。会計はコイツで」
たい焼きをたかられてギャーギャー騒ぐタケみっちをよそにオレは女の子を眺める。無意識にピンクの形の良い唇に目がいく。
「ひとりで店回してんの?」
「いえ、水曜日の夕方だけは店番でひとりなんです」
「ふーん」
来週の水曜日もまた来ようと思った。
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切猫(プロフ) - イチゴミルクさん» コメントありがとうございます(^^)本作を楽しんで頂けて嬉しい限りです!灰谷兄弟とても迷っていたので参考になります…!三途君はちゃんと夢主と絡ませるつもりですので楽しみにお待ちください♡ (2022年10月9日 18時) (レス) @page17 id: 4abe33d0e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク(プロフ) - 初コメ失礼します!夢主ちゃん可愛すぎるっ…三ツ谷君とかもちょいとタジタジになってるの尊…オチに関してなのですが,三途君か灰谷兄弟見てみたいなと…希望なので,他の方々でも全然有りです!!!無理しない程度に更新頑張って下さい!応援しておりますっ (2022年10月9日 16時) (レス) @page17 id: 4b77fe0276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:切猫 | 作成日時:2022年10月2日 10時