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たいやきが十六匹 ページ17

____「桃城さん、ずっと大変だったね」


____「ご両親がいないなんて可哀想」




「…ぃ………おい!」


「ん、あぁごめん…マイキーくん。ちょっと考え事してた」


「………」






____同情。


今まで何度も味わってきた。可哀想だから話しかけてあげる、可哀想だから遊びに誘ってくれる。


心配してくれる気持ちはありがたいし、それが無ければ私は生きて行けない。


でもなんとなく、自分は可哀想な人間、と決めつけられた気がして本当はずっと悲しかった。


バイトを始めたのもそういう理由が大きい。










「俺もさ、両親いねぇんだ」


「……え?」


「あと、兄貴もいた。今はもう皆死んじゃったけどね」



急にマイキーくんが私に向かって話し始めた。



「だからAほどじゃないけど、Aの気持ちちょっとだけなら分かる」



マイキーくんの顔は辛くて寂しそうだけど、酷く優しかった。






「………何でそんなこと、私に教えてくれたの」


「Aは、とっくにオレの仲間から。オレだって辛いことあったけどサ、東卍の奴らはオレの過去に同情してついてきたんじゃねぇ。オレだからついてきたんだ」


「……うん」


「Aだってそうじゃん。学校のヤツらも、オレたちも皆Aだから話しかけてんの」


「うん…」


「だからサ、もうそんな暗いカオすんな」


マイキーくんの言葉は私の心の核心を突く。



「ありがとう。私キミに助けられてばっかだね」



いつだって助けてやるよ、と笑ったマイキーくんはとても眩しかった。







「そろそろドラケンくん戻ってくるから………きゃっ!?」



戻ろうと言いかけた矢先、背中にかかる冷たい感触。

振り返るとマイキーくんがシシっと悪い笑顔をしていた。



「ちょっと!?水着じゃないのに海水かけないでよ!」



やられて悔しい私は負けじと水をかけ返す。



「冷てェ!やったなーA?」



そこからマイキーくんの猛攻撃が始まった。勢いに耐えきれず私は尻もちをついてしまった。


いや私女子…




「ちょっ、冷たっ、あはは、やめ」


「ほらほらぁ」



笑いながら抗議するもなかなかやめてくれず、気がつけば全身びっちょりだった。



「うん、やっぱAは笑ってた方がカワイイ」


「はぁ、励ましてくれたのは嬉しいけど…」



ため息をついて立ち上がる。


すると何故かマイキーくんはみるみるうちに顔を赤くした。


「やべ、やりすぎた」

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切猫(プロフ) - イチゴミルクさん» コメントありがとうございます(^^)本作を楽しんで頂けて嬉しい限りです!灰谷兄弟とても迷っていたので参考になります…!三途君はちゃんと夢主と絡ませるつもりですので楽しみにお待ちください♡ (2022年10月9日 18時) (レス) @page17 id: 4abe33d0e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク(プロフ) - 初コメ失礼します!夢主ちゃん可愛すぎるっ…三ツ谷君とかもちょいとタジタジになってるの尊…オチに関してなのですが,三途君か灰谷兄弟見てみたいなと…希望なので,他の方々でも全然有りです!!!無理しない程度に更新頑張って下さい!応援しておりますっ (2022年10月9日 16時) (レス) @page17 id: 4b77fe0276 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:切猫 | 作成日時:2022年10月2日 10時

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