[ONE PIECE] ４つのキセキ -5-

No.203 ページ39

貴「…イサキ？」



あれ…？ イサキ…？

待って…、イサキって確か…。



──「イサキ様って言うんですけどね。
本当、私達の英雄です」



っ…!?

この人がこの国の英雄、イサキ!?




突如飛んできた男に向いていた人々の視線は、
私達に注がれる。


まるで私達を追い詰めるように、
周囲を取り囲んだ。





ﾄｷ「ど、どうする、A？
こいつらやっつけるか？」


貴「ううん、それはダメ。
ひとまずここから逃げよ」



人数は多く、逃げ道を塞がれていたとしても、
彼らはただの一般人。

逃げるなんてワケない。




貴「５秒…」


ﾄｷ「ん？」




カバンからそっと取り出す。


貴「５秒、目瞑って。
…行くよ！」



手に持っている物を、真上に高く放り投げた。



目線が上へ、そして下に、白い塊を追って動く。


パシッと片手でキャッチすると、手の中に収まったそれ…閃光貝(フラッシュ･ダイヤル)の殻頂を押し込んだ。



瞬間、辺り一面を強い光が包み込む。



三秒程して、固く閉じていた目を開けば、閃光貝に注目していた全員の視力を奪い、その光は治まった。




よしっ…。


貴「トキ、逃げるよ！」


ﾄｷ「…？ もういいのか？」




キョトンとしてるトキの腕を引いて、
人の壁を縫うように駆け出した。





何がが起こる…。


そんな予感を胸に抱きながら…。

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