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御幸side
――あれから時間は経ち、時刻は22時
今日の昼休み。
倉持と話していたら、1年の女子からいきなり呼び出され、
何の用かなと思っていたら、廊下にどこか懐かしい雰囲気をした女子が待ち構えていた。
俺は瞬時に
“この子はあの頃一緒にいた黒沼だ”
ってすぐに分かった。
ずっと会いたいと思っていたから、とても嬉しかった。
そーいえばここ最近毎日、遅くまで練習見学している子いたけれど、
今思えば、その人は黒沼だったのかな。
そんなことばっかり考えているからか、今とても黒沼の声聞きたい。色々と話したい。
・・・黒沼から電話こねーかな・・・。
そう考えていると、携帯から電話の着信音が流れてくる。
携帯を手に取ると、知らない番号。
もしかして、そう期待しつつ電話にでてみる。
「・・もしもし」
『あ、もしもし!御幸くん?
私黒沼!いきなり電話かけちゃってごめんね。今時間大丈夫かな・・?』
「あぁ、大丈夫だよ」
電話の相手がまさか、本当に黒沼だとは思っていなくて、嬉しさがこみあげてくる。
「あ、そいや昼休み悪かったな。話の途中で抜けて」
『いや、あまり気にしてないから、大丈夫だよ!
むしろ、いきなり教室に行っちゃってごめんね。
確かあのとき私に何か聞こうとしてなかった?』
「あ、やっべ。すっかり忘れてた。こっちに戻ってきたってことは、
黒沼の親父さんの職場落ち着いたからなのかなーて」
『あ、ううん。違うの。そっちの方はやっぱり当初の予定のままだって。』
「そっか。でも、なんで―――」
『私ね、ここに一人で戻ってきたの。
そうしてまで戻ってきたい理由があったから。今はまだ言わない。
でも、タイミングが掴めたら言うから』
「・・・おう、わかった。」
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作者名:志乃 | 作成日時:2017年7月12日 0時