034◇ ページ34
.
御幸side
俺は無事黒沼に告白することができ、晴れて恋人になることができた。
亮さんがあそこまで行動してくれていなかったら、絶対に告白なんてできていなくて。
亮さんに感謝の気持ちがでてきたその分、
もしくはそれ以上の大きい借りをあの人に作ってしまったんだということに気づく。
「ねぇ、御幸くん。この前私に"なんで一人で東京に戻ってきたのか"って聞いてきたじゃない?」
考え事をしている途中に、黒沼は俺に話しかけてきた。
「・・・そういえば聞いたな」
確かに、黒沼がわざわざたった一人で戻ってきた理由はずっと気になっていた。
「去年進路を決めるときにね、偶然御幸くんが雑誌載ってる記事をみつけて。
それで小学生の頃からの親友に連絡取って、
両親からの実家での一人暮らしの許可をちゃんともらって、こっちに戻ってきた。
・・・一刻も早く御幸くんに会いたくて」
「・・・うっそだろ・・・////」
まさか俺に会うためだけに、たったひとりで戻ってきてただなんて。
予想外だったのと嬉しい気持ちで思わず照れる。
21人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:志乃 | 作成日時:2017年7月12日 0時