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「ねぇ、御幸くん。あの日、再会したら話したいことあるって言ったの、覚えてる?」
言うなら今ここでしかない、と思いひとまず御幸くんに問いかける。
「・・・あぁ、覚えてるよ。」
「あのね、私初めて会ったときから、御幸くんのことずっと――――」
そう言いかけたら、
"この先はまだ言わないで"
という意味合いで、私の唇に御幸くんの人差し指が抑えられた。
頭にはてなマークが浮かぶ中、御幸くんは私に話しかける。
「だめ。俺から言わせて。」
「?いいよ」
「俺、黒沼のことが好きだよ。
初めてあったあの日。きっと初めて声をかけて顔をみたあの瞬間からずっと、今も。」
「へ・・っ?」
突然の御幸くんからの告白に驚いて、思わず間抜けな声がでる。
嬉しくて涙がでてきて。
「・・・黒沼は俺のこと、どう思ってる?」
「・・・その顔。言わなくてもわかるくせに。」
「だって、本人の口から聞きたいじゃん」
「・・さっき言いかけて止めたの御幸くんなのに、ずるい。」
「こういうのは、男から言うもんなの」
なにからなにまでなんかずるいな、御幸くん。
やっぱり私はこの人のことが
「―――好きっ。私も御幸くんのこと大好き。」
「俺の女になってくれる?」
「もちろんっ!」
こうして無事、私は御幸くんと恋人になった。
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作者名:志乃 | 作成日時:2017年7月12日 0時