muguet....〈n.k〉 (ページ14)

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カランカラン

Barなんて、

ほとんど入ったことがないけれど

今日はなんだか特別

「いらっしゃいませ」

薄暗い店内

オレンジのシックな照明

どこに座ればいいかなんて分からず

とりあえずカウンターの端に座る

私もいい大人だけど

緊張するなぁ

「…どうぞ」

「えっ…？」

何も頼んでいないのに、マスターと思われる方から差し出された黄色のカクテル

マスター「アイ・オープナー…ここを見つけて頂き、ありがとうございます」

「あ、りがとうございます…」

カクテルの意味なんて、

全く詳しくないけれど

彼の色をしたカクテルに

ドキっとする

「甘い…」

マスター「苦手、でしたか？」

「いえ、おいしいです」

マスター「よかったです。」

？「運命の出会い、ねぇ…マスター大げさだな」

カウンターの一番奥

店内でも深くかぶったままの帽子のせいで

顔は見えない

マスター「そんなことありませんよ。お客様とこのお店、このお酒との出会い、それは運命です」

？「なにそれ、くっさ…(笑)」

運命の出会い…か、

「素敵、ですね」

？「何？あんたもそういうの信じちゃう感じ？だから最近の女ってつまんねーんだよなぁ」

何コイツ

何この男

さっきからうるさい