淳太くんの彼女 【黄】

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ザッザッ






あ、足音だ

それはどんどん近づいてきて

次こそ淳太くんかな、とドキドキしながら待つ。







そしたら







「…、」








そのまま通り過ぎちゃって








「…帰ろ、」







ゆっくり立ち上がって道路に出て歩き出す。







結局会えなかった

メッセージも返ってきてないし、

また送ったら迷惑かなあ、






会えない悲しさと

返事がこない辛さが重なって







「っ、」







自然と涙が溢れでる。

なんで淳太くんは言ってくれないの、

そればかりでまた胸が苦しくなった。







そしたら







中「A…？」






後ろからずっと聞きたかった声が聞こえて振り向くと

私の大好きな淳太くんの姿がそこにはあって

自然と体が動いて







「淳太くんっ…」







ギュッと思わず抱きついた。







「会いたかった…、」







淳太くんだ…、

本物だ、







久しぶりのこの温もりがうれしくて力を強める。

そしたらいつもなら淳太くんもギュッてしてくれるのに







中「A…、」







名前を呼ぶだけで、触れてくれなくて

スッと簡単に私の腕を解いて







中「とりあえず中入ろ、」







そう、腕を引いて家の中に入れられた。








.







久しぶりのリビング

淳太くんの匂いに包まれて

すごく幸せな気分になるけど







中「どうぞ」

「ありがと、」







飲み物を出してくれた淳太くんは

まだ一度も目を合わせてくれない。







それが私と喋りたくないって言われているようで

なんて言えばいいかわからず、沈黙が続く。







中「ごめんな、日曜日。急に誘って」

「あ…、ううん」







そしたら淳太くんから切り出してくれて。

日曜日って聞いてユウキとのことを言わなきゃって思うけど

今日は想定外だったから全然まとまっていなくて

喋り出しに困ってうまく話し出せない。







中「用事ってなんやったん？」

「えと…、」







やっと目を合わせてくれた淳太くんは

優しいけどどこか悲しい目をしていて







元彼と会ってた、なんて言ったらどうなる？

その先を考えると怖くてなかなか言えなくて







中「男と会ってた、…違う？」

「え…、」







何もかも見透かされているような目で見られて

固まってしまった。



.

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