川に魚っているもんなん？【Fischer's】 (ページ47)

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【20】男勝りな彼女の意外な一面ページ47

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ﾓ「マサイらしくないね、」

「、え？」

ﾓ「Aに対しておれら以上に世話焼きだなぁって思う面は多々あったけどさ、あんな風に露骨に表に出すなんて珍しいじゃん」

モトキの言うことは間違いなかった。

アイツは鈍感で危なっかしい、だからおれが、おれらが見てないと、って、そう思ってた。でもそれを本人には気付かれないようにってしてたのに、自分でもわかんねーけどあんなことになった。

全部、あいつと再会したのが悪い。そう思いたかった。

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『････････････』

『･････････なに？』

『マサイはわかりやすいね』

『は？』

『、好きなんでしょ？Aちゃんのこと』

サインを頼まれたおれは、みゆきに連れられて従業員用のロッカールームに入った。こんな場所で、しかもメンバーの誰にもハッキリ言ったことがないことを言われるなんて

Aの言う通り、みゆきとは付き合っていたことがある。高校の時の家庭教師。当時大学3年だったみゆきとは講師として家に来る時くらいしか会えなかった。

高1のおれとはそれなりに年齢差もあって長くは続かなかったっていうどこにでもあるような、マジでよくあるオチ。

『いや、別にそんなんじゃ、』

『隠さなくてもいいじゃん、ってゆーかわかりやすすぎて隠せてないけどね』

『･･･････････････』

『お店に入ってきた瞬間にわかっちゃった』

『･･････････････なんだよそれ』

『かわいいもんね、なんか守りたくなる感じ』

『･･････まぁ、』

『近くにいるからって油断してたらダメだよ、』

敵はすぐそばにいるかもしれないんだから、その言葉以降みゆきは何も言ってこなかった。

サインを書き終えメンバーの元に戻って、それからすぐ店を出た。そしてもう一本撮影を終えて車に戻ろうとした時に同級生だと言う男と再会。

･･････まったく、運が良いんだか悪いんだか。

きっと焦ってたんだと思う。東京に住んでるとか元カレとか、今知りたくない情報が入ってきたら誰でも焦るだろ。

好きな女が誰かの手に渡ってしまうんじゃないか、って。

そう思ったらあんなことになってた。みゆきが変なこと言うから、そう思いたかったけどおれが悪いのはわかってる。

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