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「ダホちゃん、わたし運転するよ」
ン「え?なんで?」
「疲れただろうなーと思って」
ン「でも・・・、」
「気にしないの!ほら!」
マサイたんのお家にお泊まりだ!スマブラしよーぜ!!なんて上機嫌のA。
先程の帰ろうという言葉は生憎届いていないらしい。
本人に許可をとることなく進む車は、おれとぺけの家とは別の方向にウインカーを出した。
* * *
「ねぇ、みんな緊張しとる?」
モ「そりゃあ・・・・・・ねぇ、?」
ザ「マサイとかダホからAがスパルタだったって聞いたし・・・・・・」
「おいガリとデブ、何変なことザカちゃんに吹き込んどんだて」
今日はMV撮影の初日。
Aの言う通り別に初対面とかではなく見知った身内での撮影なのに、みんな肩に力が入ってる感じがある。
そう言いつつおれもなんだけどね。
「はい、じゃあそれぞれ指示した場所に立ってー」
普段の撮影は私生活優先みたいなとこがあるから、仕事のあるザカオやダーマはいないことが多い。
けど、みんな今日のために、Aのために、有給を使ったり私生活よりも撮影を優先した。みんなほんとAのことすきだなぁ。
なんとなく隣に立つマサイを見ると、どこかを見つめてた。
その見つめる先を辿るとカメラ越しにおれたちを見て機材の調整をするAが。
ン「・・・・・・マサイ?」
マ「、ん?」
ン「ずっと見つめてどーしたんだよ」
マ「いや・・・・・・ 別に?」
ン「・・・・・・・・・Aさ、すごいよな」
一人で考えて構成して、確認しながらあーでもないこーでもない、って。編集もぜんっぶ一人でやりきっちゃうんだろうな。
大丈夫かな、寝れる時間あるかな?
マ「・・・・・・・・・すげーよ、アイツは・・・・・・ 一人で抱え込むのも隠し通すのもうまいしな、」
ン「確かにそうかも」
マ「だから・・・・・・ もしもの時は支えたいし、気づいてやれるようにしてたいんだよ」
ン「・・・・・・・・・マサイってさ、」
マ「、なに?」
ン「・・・・・・・・・・・・やっぱ優しいよな」
マ「なんだよいきなり、」
お前には負けるよ、そう言って笑ったマサイは男のおれも惚れるくらいにかっこよかった。
「ダホちゃんマサイたん、ちゃんと前向いてー!」
ン「、ごめーん!!」
マサイの本当の気持ち、Aにはちゃんと届くよ。
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作者名:むぅ | 作成日時:2019年5月6日 1時