【16】虹と青空 ページ37
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「違う、もっと抑揚いれて、」
ペ「・・・・・・はい、」
「もっかい今のところから」
スパルタだ、スパルタすぎる。
今ならAが鬼に見える・・・・・・ この後にやるおれの気持ちよ
「・・・・・・・・・はい、ぺけ一回休憩」
ペ「ありがとうございます、」
「、ダホちゃんいける?」
ン「あ、うん!」
ブースに入ってヘッドホンして、歌詞が印刷された紙と赤ペンを譜面台に用意して。
今までも経験したことはあるのに妙にドキドキするのは、Aがおれらのために作ってくれたという、いつもと違う何か背負うものがあるからなのかな
「はい、じゃあ始めまーす」
ン「お願いします、」
「・・・・・・ダホちゃん」
ン「、ん??」
「気負わず、ダホちゃんらしさを目いっぱいください」
ン「・・・・・・・・・はい!」
* * *
「「・・・・・・・・・・・・・・・」」
マ「二人とも死んでんじゃん、笑」
「ちょっと飛ばしすぎちゃったかな」
マ「スパルタだってことはよくわかった」
「やめてよ、わたしはいつだっておしとやかで清廉潔白なんですから」
マ「・・・・・・はーい」
案の定、Aからの指示はぺけたんと同じように細かく、正直厳しかった。でも間違ったことは言ってないから嫌な気持ちにはなってない。
マサイは「MVに出るのは7人かもしれないけど、この曲を作るのは8人全員だ」という事実を形に残そうってことでいつもみたいに撮影してる。
きっとこの曲が公開されたらセカンダリにでも上げるんだろうな。
「はい、二人ともお疲れ様!これ飲んで!」
ペ「ありがとー・・・・・・ いやぁ、なんかAのご教示が的確すぎて久々に歌でやられたわ」
「ごめんごめん、」
ペ「いや、むしろありがとう」
「二人ならできると思ってつい熱くなりました、」
ン「Aありがと」
「こちらこそ!」
マ「とりあえず歌取り終わったし、明後日からはMV撮影だから帰るか」
いつだったか、歌でウオタミさんを盛り上げたい、とメンバーに打ち明けた時、みんなの反応はそこそこだったのにAは、Aだけは、「ダホちゃんならできる、がんばれ」「力になるからね」って言ってくれたのを思い出した。
背中を押してくれたAの気持ちに応えたくて、撮影や別の用事で忙しくても時間を見つけてはボイトレに通ってる。できることは、きちんとやりたい。
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作者名:むぅ | 作成日時:2019年5月6日 1時