101話 ページ9
「まぁ…それは置いといて…
一番の問題は、あの夫婦に勘違いされちゃったってことだよ！」
これは大問題だ。絶対あらぬ噂が出てくる。人は噂が大好きだ。しかも浮ついた話なら尚更…海外の情報が入ってこない情報統制されたワノ国のことだ。こういう噂話が駆け巡ることは必然だろう。
「それに何の問題がある？」
「え…？」
「勘違いされたままの方がお前のところに顔を出しやすい。つまり、お前を助ける上でも都合がいい」
そう言われると言い返しにくい。
「でも、こういう嘘は絶対ボロが出る！バレたらそれこそ面倒なことになる」
不審なところがあれば、それは直ぐに人の目につく。人間関係だと余計にそれは敏感に感じ取られるものだろう。
「なら…嘘を本当にしちまえばいい」
「！？」
「お前が俺の女になればいい話だ」
私は驚きのあまり開いた口が塞がらなかった。突然何を言ってるんだ？
「悪いが、それは断らせて貰う！」
恋愛なんてよく分からない。けれど、こんな形で恋人になるのはおかしいと思う。今、私達がいるのは四皇のテリトリーであり、油断ならない地だ。そんな中で巫山戯ている訳にはいかないのだ。
それにこんな形の恋人は所謂互いの利だけを求めた関係だということだ。私はトラ男とそんな駆け引きなんてしたくない。
「俺は巫山戯てこんな事を言ってんじゃねェぞ。ましてや、お前のことを利用しようとして言ってるわけでもねェ」
「じゃあ…なんで？」
何となく分かっているのにもかかわらず、知らないフリをして尋ねた。
「お前のことが好きだからだ」
「！」
トラ男は帽子を深く被り、顔を隠した。
あぁ…やっぱりそうだったんだ。潜水艦で感じてたのは気の所為じゃなかった。
顔が熱くなるのを感じた。でも何処か他人事のようで…告白されたという実感が湧かない。
「疑ってるのか？」
「そうじゃないけど…」
すると少し不審げな目で見られた。
トラ男はしゃがみ、私と目を合わせながら話し始めた。
「俺は…お前のことが好きじゃなかったら、お前の過去を知ろうともしなかったし、相談にも乗ってやらねェし、傷の手当もしねェし、助けてやりたいとも思わねェ…それくらい冷酷な人間だ。知ってるだろ？」
そんなことは無いはずだ。もし、本当にそんな冷酷な人間なら…ルフィは同盟を組んでいないだろう。パンクハザードで子供達を、ドレスローザではベラミーを治療していたりもした。そんな人が冷酷な筈ない。
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ゆう(プロフ) - とても、楽しく読ませていただいてます。また、続き読みたいです。 (2022年1月31日 15時) (
レス) @page19 id: fe95cae7da (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8a86a2abc8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃを操作してます。続編おめでとうございます。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年9月11日 14時
