95話 ページ3
「テメェ…自分の能力で悩んでいたかと思えば、んなこと言い出しやがって」
各々潜入先への準備を行い始めた。私も一人あれこれ用意を整えていると、トラ男がやって来て今現在石で出来た塀に追い詰められていた。
「いや、でも…」
「でもじゃねェ!暴走するかもしれねェんだろ?散々それで泣いていたのは何処のどいつだ?」
ここにいる私ですね…
「トラ男!とりあえず、話聞いてくれ!」
話を聞いてもらう為に落ち着けようと、黒い着物の袖を掴む。するとトラ男は不機嫌そうな顔でこちらを見下ろした。話を聞いてくれるようだ。
「私達が相手しなきゃいけないのは四皇だ。五千で兵が足りるなんて筈がないんだ。
出し惜しみをして敵う相手じゃないことくらいトラ男だって分かるだろ!」
「あぁ…だが、それとこれは別だ!」
「私は2年間、ずっとこの能力をコントロールできるようにすることを念頭において修行してきた!
暴走を恐れて、今まであまり使ってこなかったけど…この先はそのままじゃ前に進めない!」
「…」
もう四年前の未熟な私じゃない。今の私は海賊だ。現状に甘んじていてはいけない。2年間の修行で貯まった信仰心の扱い方のコツも分かった。だけど…今の今までそれを使ってこなかったのは勇気が足りなくて、怖かっただけ…でも今ならできる。
「トラ男が話を聞いてくれたお陰なんだ。
一歩踏み出そうって思えたのは…
だから…トラ男、私のこと信じてよ。それだけで私の力になるから!」
大きな手を両手で優しく包む。
トラ男は大きくため息を吐いた。呆れられたのかな。
「女神ってだけあって…人心掌握術はお手の物か?まぁ…いい。だが、信じろと言うなら…暴走した時、どうするかまで考えていると思っていいんだな?」
真剣な眼差しが突き刺さる。ルフィ達ならこんなことは言わないだろうに…
「その時は…」
トラ男が求めてる答えは…?
ゾウで過去を話した時…トラ男は私に死ぬ必要はないと言った。
潜水艦では…私に無理に全てを受け入れる必要はないし、変わろうとしなくていいと言った。
なら…答えは…
「その時は助けて欲しい!」
「満点の答えだな」
トラ男にニヤリと笑った。
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ゆう(プロフ) - とても、楽しく読ませていただいてます。また、続き読みたいです。 (2022年1月31日 15時) (レス) @page19 id: fe95cae7da (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます! (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8a86a2abc8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのpcを操作してます。続編おめでとうございます。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんころ | 作成日時:2021年9月11日 14時