106話 ページ14
「騎馬兵が25、弓兵が70、歩兵が105…計200か」
トラ男の告白により悶々と眠れない夜を過ごしたため、眠い目を擦りながら、この数日で作り上げた埴輪兵達の数を記録していく。
「1000には程遠いな」
「ゔ…これから本気出すから大丈夫だ！」
様子を見に来たゾロが揶揄うように笑う。
白い着流しに緑の袴で刀を腰に刺したゾロはワノ国の侍にしか見えない。酒を片手に持つ姿が様になっているのは流石だ。
「にしても…ゾロが店に来るなんて珍しいな。どうしたんだ？」
「いや…お前の噂を嗅ぎつけてな」
それはつまり…磨弓が吹聴したデマのことか…
仲間に勘違いされるのは大問題だ。早く訂正せねば…
「ゾロ、あれはな…デマだからな！あれは…磨弓がふざけて言ったことが広まっちゃっただけで…事実じゃないから！」
ゾロは私の方を見てニヤニヤと笑い始める。そして堪えきれなくなって声を出して笑い出した。
「っぷ…ははは！何焦ってんだ？俺が言ってるのはお前の店が繁盛してるって噂だ」
「…」
一人で焦って、恥ずかしい思いをした。よりもよって…ゾロ相手にこうなるとは…してやられた！
「まぁ…だが、その噂も勿論知っちゃいるがな」
ゾロはしたり顔を浮かべた。なんか…ゾロにこういう駆け引き的な会話で負けるのは悔しい。これでも一応麦わらの一味の中でも頭脳はなのに…
「ゾロにやられるなんて…嫌だな」
「なんだと！？」
「いやだって…ゾロはバカだろ？」
ゾロはごつんと私の頭にチョップを落とした。痛くはなかった。
「バカなのはお前だろ？顔を見てたら嫌でもわかるぞ。トラ男となんかあっただろ？」
その一言で少しピリッとした緊張が流れた。
こういう空気を察するのは意外にもゾロは得意なのだ。厄介なことにね…
「まぁ…あったと言えばあったさ」
「そうか…だからと言ってどうってことはねぇがな」
これ以上そのことについて話すつもりはないという態度に気づいたのか…ゾロは頑張れよと言って、背を向け去っていった。
ゾロside
トラ男のAに対する想いはワノ国に到着前から気づいていたが…まさかこうなっているとは思わなかったな。俺としちゃあ…あの二人がどう転んだって構わねェ。反対するつもりもねェ。Aは海賊が何かをしっかり理解しているからな。アイツは甘い考えで周りを振り回すような奴じゃねぇ。
だが…まぁ普段よりも明るい笑顔の仲間を見れたからな。少しくらい二人の幸せを望んでやらないこともない。
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ゆう(プロフ) - とても、楽しく読ませていただいてます。また、続き読みたいです。 (2022年1月31日 15時) (
レス) @page19 id: fe95cae7da (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8a86a2abc8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃを操作してます。続編おめでとうございます。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年9月11日 14時
