SEVENTEENの問題児3 (ページ42)

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・出逢いページ42

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＜2012年＞

「今日から、この子も”SEVENTEEN”のメンバーを賭けて一緒に練習してもらうから。みんな、よろしく頼む」

『キム・Aです。よろしくお願いします！』

しーん…。

静まり返る、事務所のとあるスタジオ内。

あるのは幾つもの冷たい視線と、「不満です」とか「冗談だろ」とか混乱極まりない表情を浮かべる、自分と同い年くらいの男の子達の顔。

中でも、事務所の人に集合を掛けられ並ばされた列の最前列にいる子が、元々の細い釣り目を更に細めて、向かいに立つ私を刺すように睨んでる。そして唸るような低い声。

HS「……どういう事ですか」

こ、こわっ。
ヤンキーかっっ！！

と頭の片隅でそんなツッコミを入れるけど、絶対零度のこの空気を覆す勇気は出ない。
それもそのはず。

今ここにいる30人弱の集団の中で、私が唯一の女という状況だからだ。

私の傍らに立つ中年の男性を恐る恐る見上げると、まるでこの反応を予想してたかのように彼はにこにこ笑っていた。

「あー、まぁそうツンツンするな(笑) Aは女の子だけど、中身はお前達とそう変わらない、アイドルになるための素質がある。お互いいい刺激になると思うから、頑張りなさい」

そう言い放ち、じゃぁあとはヨロシク、と手をひらひらさせて去って行った。
そして再びスタジオ内に訪れる沈黙。

よろしくって言われても…

SC「──参ったな、」

声がして顔を上げると、ハァと大きく溜息をついた、バサバサまつ毛の、唇がさくらんぼみたいに赤い人と目が合った。

声色が「困った」ではなく「ふざけんな」そのもので、バリバリに敵視して来る。さっきの細目の子みたいに。

…………そりゃ、あなたからしたらそうかもしれないけど、私だって女一人とは初めて聞いたんだけど…

他に女の子はいないのかな…？

てっきりヨジャドルグループで練習生になるんだと思ってた私は、思わぬ展開にどうしていいかわからない。

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