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『うん。ディノが「ヌナは一人で寝てくださいね」ってベッドを譲ろうとしてくれたんだけど、私より身体の大きな人達差し置いてそれは悪いじゃん。だから私がソファで寝るって言ったら「ヌナにそんな事させられません！」て』
WN「おお」
『それで譲り合いっこしてたら、結局ディノがジュナとウォヌの部屋に行ったっていうㅋㅋ』
WN「なるほど、」
それはマンネに気を遣わせてしまった。
あとで謝ろう。
でも、という事は。
もしや二人きり･･････
『あっ見てウォヌ！流れ星！』
WN「えっ」
感傷に浸りかけた時、Aが急に声を上げるからその思考が吹っ飛んだ。
まったくムードもへったくれもない。
かと思えば急に手首を掴んで来て、上空を見ろと身体を寄せて来るから面食らう。
WN「どこ？全然見えないわㅋㅋ」
『あっちのほう！また流れるかな？』
俺とは逆に懸命に夜空を見上げてるAは、まるで宝物を見つけたみたいにキラキラ目を輝かせてる。
それがなんだか眩しくて、じーっとその横顔を眺めてしまう。
『･･･ウォヌ、星見てる？』
WN「んーー見てる見てる」
『見てないじゃん･･･』
そんな視線に気がついたのか、訝し気に振り向いたそばからみるみるうちにへの字になる唇。
あは、可愛い。
だって、一瞬の流れ星よりAを見ていたいじゃん。
『もう教えてあげないんだからねー』
って、ぷんすこまた空を見上げてるけど。
掴まれてた手首を優しく解いて、おもむろに抱き寄せた。
久しぶりに感じる温もりに、身体の全細胞がざわめく。
俺より頭一つ分低い背丈の、その細い身体を正面から包むように抱き締める。
そのまま屈んで首筋に顔を埋めれば、慣れ親しんだ香りが鼻腔をくすぐってなんとも言えない気持ちになった。
あー、Aだ。
大好きな女の子の、花みたいな甘い匂い。
『なに････』
戸惑ってる声がするけど、離してやらないよ。
『くすぐったいよ････うぉぬ、』
WN「我慢して。ぎゅーしてるから今」
『え〜』
WN「約束してたでしょ」
『え〜････』
一方的にだけど。
･････そう思ってたら。
『でも、なんかあれだね。こうやってウォヌとハグするの久しぶりな気がする』
半ば強制的にくっつけられてた顔を胸から離して、俺を見上げて笑うA。
その無垢な顔を見て、どうしようもなく苦しくなる。
ちょっとでも俺の事、意識すればいいのに。
パボA。
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作者名：七瀬 | 作成日時：2022年9月11日 15時
