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でも、なんで泣いてんだ。
わからないから率直に訊いてみる。
WN「ヒョンに強く言われた? なんで泣いてるの」
『・・・・泣いてないし、』
WN「わかったから」
普段素直なくせに、変なとこで意地っ張りなんだコイツは。
WN「A・・・・・・言ってよ」
手を伸ばしてあげられる距離じゃないんだから今は。
そう思って、もどかしくスマホの向こうに耳を澄ます。
『・・・・強く言われたとか、そういうんじゃなくて、私が悪かったんだけど・・・・・・』
WN「うん、」
『ただシンプルに、』
・・・・・オッパが怖かった。
そう零すAに、聞こえないようにそっと溜息をつく。
あーーーー、チンチャ。
抱き締めたい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺なんで今韓国にいるんだろ。
もどかしすぎてエグい。
WN「・・・・・なぁ、顔見たい」
『・・・・やだ』
WN「いいじゃん」
『絶対やだ!!!』
WN「泣いてるじゃん間違いなくㅋㅋ」
『ヤー、だからちがうってっ!・・・・、』
WN「あはははは」
鼻水ズビズビさせながら言う台詞か(笑)
わざと俺が明るい声を出すと、途端にぷりぷり怒りだしてんの本当可愛い。
絶対今顔赤いだろ。
WN「話は大体わかったけど、それ多分シュアヒョン怒ってたとかじゃないよ」
『え?』
WN「Aが心配だから教えてくれたんでしょ」
『・・・・・・そうなのかな、』
WN「絶対そうだから。間違いない。だからそんな泣かなくていいよ」
っていうか、Aにそういう事言わなきゃいけないくらい、シュアヒョンもなにかしら切羽詰まった状況だったんじゃ・・・・なんて不安が脳裏をよぎる。
一体何があったんだよ。
WN「まさか、・・・・・・キスとかされた?」
ド キドキしながら確認してみるけど、
『はっ?! さ、されないよ!なんで??』
途端に素っ頓狂な声が飛んで来て安心する俺。
じゃあ良かった、なんて思ってごめんA。
お前は怖かったんだもんね。
なぁ、
早く帰って来て。
WN「あーーこの距離がもどかしいわ」
『え?』
WN「帰って来たらさ、ぎゅーしたい」
『えー?なんで』
そんな必要ある?とでも言いたげなAの声だけど対応が塩なのは慣れっこです。
だから構わず続ける。早口で。
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作者名:七瀬 | 作成日時:2022年9月11日 15時