2019旅行 in 日本 6(JS) ページ16
<JS side>
・・・・・・参った。
Aにちょっと避けられてる。かもしれない。
ワールドツアーの開催地に向かう飛行機の中で、ふうと溜息をつきシートに身を沈めてすぐ、隣の席から声がかかる。
そこにはギロリと大きな目を光らせてるジョンハン。
JH「・・・・・シュアヤー、お前あいつになにしたの」
JS「えっ」
勘のいい我が親友はなんでもお見通しのようだ。
ファーストクラスの大きなシートから身を乗り出して、僕の顔色を窺うように下から覗き込んで来る。
その目は真剣で、見逃してくれそうにない。
JS「いや、なにをしたというか・・・・そんな大層な事はしてないと思うんだけど・・・・・(多分)」
JH「ほんとかー?じゃあなんでAと目ぇ合わせないんだよ」
JS「それなんだけどさ・・・・・」
いや、正確には合わせないというより、合わせてくれないというか。
Aが一方的に僕の目を見てくれない。・・・・気がする。
無視されてるわけじゃなく、話は普通にするんだけど。
Aと喧嘩なんてした事ないし、どうしよう。
どうすれば。
JS「ちょっとAには刺激が強すぎたのかなぁ・・・・はぁ、失敗した」
JH「は?マジでなにしたの」
JS「やぁ、怒んないでよ〜、ハニが心配するような事は本当なにもないから(多分)」
JH「その笑顔が嘘くさいんだよな・・・・」
めちゃくちゃ失礼な事を言いつつ(いや僕のせいだけど)、ジョンハンが「ほんとに、ほんとか?」と念を押して来る。
Aの事となると・・・・・本当にこいつは厄介だ。目がガチだもん。
まぁ僕もバカ正直に「ベッドに押し倒されたついでにAを押し倒して、ちょっと教育的指導入れちゃいました★」とは言わない。
火に油を注ぐのは目に見えてる。
ちら。
ファーストクラスのシートは広くて、僕より後方席に座ってるAの様子を窺おうと振り返ってみたけど、その姿が見える事はなかった。
日本から帰って来て昨日の今日だけど、Aとぎくしゃくしているのが想像以上に身に堪える。
自業自得ってやつ?
でも、でもさ。
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作者名:七瀬 | 作成日時:2022年9月11日 15時