師弟関係-男主- (ページ49)

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Reunion.ⅣⅩⅦ ページ49

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「…ご、御免……ね？…その、他に良い手法が思い付かなかったから……」

中原──否、中也の問い掛けに郁葉は先程よりも更に、顔を青褪めさせ乍、ぽつりと溢した。

「……相変わらずってか？」

中也は何となくだが、郁葉が云いたいであろう言葉を引き継ぎ、そっと云う。

郁葉は間髪入れずに頷くと、中也の顔を確りと見据えようと瞼を上げた。

そして云ったのだった。

「そう…かも知れないね、で、だ。中也君を呼び出したのは云う迄でも無いんだけど……」

若干、躊躇いがちであったのだが。

「……何だよ。」

中也は、相当苛立っているのか刺々しく、粗削りの鞘の様な声で答える。

「僕の代わりに彼等を連れて行って、美味しい代物を沢山御馳走して呉れたら……嬉しいなぁ…何て……。」

そして郁葉が吐いた言葉に「嘘だろ……」と頭を抱えたのだ。

中也が頭を抱えているのを見て郁葉は申し訳なさそうに小さく、謝罪する。

「……済まないねぇ、僕は此れから遣らなければ為らない用が有るから……」

郁葉の呟きを確と聴いた中也は、ほんの少し顔を顰めた。

そうして、青年と少女の方へと向き云ったのだった。

「───何処か行きたい処、あるか？」

青年と少女は顔を見合わせ、中也を吟味するかの如く、見据えた後、応えた。

「え…中也さん、奢ってくれるんですか…？」

「……明日は雨…ですかね…？」

「……手前等、俺に対して失礼過ぎやしねえかァ、なぁ？」

そんな会話を発展させつつ、中也、青年、少女は。

各々、出掛ける準備を着々と進めてゆき。

「んじゃ、行って来るわ」

未だ申し訳なさそうな表情をしている郁葉に、出掛ける事を伝え、三人肩を並べて食堂から出ていったのだ。

三人が出て行った後で郁葉は、更に笑みを深め、呟く。

「───気を付けて行って来るんだよ、そして…如何か何事も無く、無事に帰還して呉れ給え。」

そう誰に云うとでもなく、祈るような声で呟いた郁葉は顔を上げ、凛々しい雰囲気を纏いながら食堂を後にしたのだった。

食堂から出て行く際に云った言葉が、一体誰に向けて放たれているのかは判らない。

が、若干、上機嫌な郁葉であった事を後に帰還を果たした青年達は語るのだった。

「───却説、話し合うとしようか。

…今後の計画……否、作戦に就いて…ね。」

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