Reunion.�鍬将� ページ38
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「えっ、いや…あ……」
断ろうと首を横へ振るかよりも前に──鳴った。
「……その恰好と云うのも見て居て余り気分の良いものでは無いからね。」
そう男は口を開いた後、眉尻を下げ乍、云った。
敦は自分の腹の音を聞いた男の対応の仕方を見詰め、感慨深げに呟く。
「…何だか太宰さん…みたいだなぁ」
瞬間、男の表情が凍てついた。
のを敦本人は気づいていない。
「……うん、少しの間黙っていて呉れないかい？……敦君」
男は尚も顔───表情筋を凍てつかせ、強張らせつつ敦の姿を視認したくはない。と云う風に、黙ったのだった。
「……御免なさい」
敦は男が憤っていると思ったのか、頭を静かに下げる。直後───。
「……良いや、僕の方──…此方こそ済まなかったね。
うん、そんなに…あ、否。
…何でも無いや。」
傍で枷を、縄を外される音と共に声が響いた。
のに一番驚きと云う感情を懐いている自分がいた。…と云う事実が出来上がっていたのは云う迄もない。
そうして無事、拘束を解かれた敦は、此の後、西洋菓子を男──…『郁葉』と呼ばれている──と共に食す事になるなど、思っても見なかったのである。
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【報告書 郁葉晴幸と云う人物】
乱歩曰く、「太宰よりは良いかな」との事。
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新美南吉＠文アル大好き💛 - 久作君のでてくるお話がうち自身好きです (2023年3月11日 13時) (
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作者名：七海@返事・更新頗る滞ります | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nanamikinn1/
作成日時：2020年3月3日 14時
