師弟関係-男主- (ページ4)

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Reunion.Ⅲ ページ4

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「……」

敦は迷っていた。

(ど…如何しよう……)

気を失ってしまっているであろう、目の前の人──…心算は男。

男を。再び見詰め出すのだが_____。

(た…助けた方が良いんだろうけど…)

「……うーん。」

盛大に迷い出す。

それも可也(かなり)の声量で、だ。

「……で、でもー…」

此処に来て悪い癖。

則(すなわ)ち、

"優柔不断"と云う代物が発生。…してしまった敦。

「……うーん…」

まだ迷うか。と、最早突っ込まれたとしても仕方が無いであろう、混沌とも呼べる場に。

───似付かない声がひとつ。

…産み落とされたのは正しく、その時だった。

「んー…へーこーかん…かく……ぅ」

無論、凝固するだろう。

そう。常人であったとしても───…だ。

「………へ」

敦も常人の類い(では無いが)なので、凝固する。

そして怪訝そうな表情を湛え乍、再び胸中で黙考し出すの敦であった。

(……何だか厄介な事になりそうだよぁ…)

「よし…！」

と、敦が男から距離を置こうと音を忍ばせずに後方へと下がろうとした──刹那。

「え"……」

「……うん…？」

眠っていた筈の男が首を傾げ乍、此方……詰まる所は敦の方を見詰めていた。

それも目が濁っている状態で、だ。

男は敦をほんの少し、敦では無い物──景色を見詰めた後、数分前と変わらぬ声色で云うのだった。

「……此処は…一体、何処…何だろうか…。

───…そして…君は誰だい……？」

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「え"……あ…」

(あ…もう絶対終わった……)

と、敦が一人。

胸中、葛藤と云う名の恐怖を味わっている事を。

_____男は知らない。

いや、知る由も無いのだった。

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