師弟関係-男主- (ページ25)

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Reunion.ⅡⅩⅣ ページ25

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男は飄々とした侭、凛とした声で云った。

「最初に、敦君は僕の言葉を疑念を所持せずに信用した。
…もう少し訝しげに成っても良いと云うのに。…だ」

敦は答えずに頷く。

それを見た男は先を続ける。

「次に敦君──否、君は僕の服装を見て、驚きと云う感情を微塵足りとも見せなかった。」

続け乍、敦の反応を確かめようと、見据え続けた。

服装？と疑念を抱いた敦は男の服装──…色を見てみる。

長外套、襯衣(シャツ)は白だが──靴、首巻布(ネクタイ)…その他一式は、凡て黒で揃えられている。

敦の表情に、驚愕の色が宿る。

男は慈しむような視線を携え乍「御名答」と一言だけ云い、口を噤んだ。

「………」

男の返答を聞いた敦は黙り込み、男を見据え──…ではなく見詰め、凝視した。

「そして第三に──名探偵の話をした…だろう？まぁ、此れは直ぐに見破られてしまっ───！？」

見詰めいたからか、それとも唯、単に鈍感なだけか。

男は敦に因って床へと這いつくばる様な体制になっていたのだった。

「………痛いのだけれど…？」

痛い、と云うだけで他は、何もして来ない。

敦は思った。

この人が敵だなんて到底思えない、───と。

だが、敦のそんな思いも虚しく、破られる事となるのだった。

そう、何故、造作もなく、破られたのかと云えば_____。

男が口を開こうとした刹那、イヤホン──所謂、雑音に混じって憤った声が反響したからであった。

"手前、何、人虎に油売ってんだよ！？さっさと二階に上がれつーの！"

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