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その後、Aは無事、お館様から鴉の名を教えて頂いた。
Aは何度か、噛み締めるようにその名を呼び、ひどく嬉しそうな顔をしていた。
お「…A、今日の柱合会議は夕刻からだから、まだ時間がある。それまでゆっくりしていなさい。」
『はい、何から何まで、ありがとうございます。』
お「いいんだよ。…義勇、頼んだよ。」
「御意。」
お館様はそう仰って、部屋を出られた。
『義勇。』
「なんだ。」
『…ひなき様達、平気そうだった?』
Aは俺に背を向けて聞いた。
声だけでも不安だ、というのが、伝わった。
それほどに、声が硬かった。
「…直接お会いしてないからわからないが、お館様はあまね様が着いているから大丈夫だ、と仰っていた。」
『…そう、』
Aは俺の方を向くことはなかった。
『…半刻したら起こして。』
Aは唐突にそう言うと、眠ってしまった。
・
・
・
Aが深く眠ってから俺は、御息女のおられるであろうお部屋を訪れた。
気配を消し、少し覗くと、そこには4人の御息女と、あまね様がいらっしゃった。
ひ「母上、綾波様は、大丈夫でしょうか。」
あ「どうでしょう、心配ですね。」
く「母上、本当に、、、本当に綾波様の病は、治らないのですか、?」
あ「…残念ながら、現段階での治療法はないそうです。」
か「ですが、綾波様は私達にもとても良くして下さいました。
…母上、私は、綾波様に生きていて欲しいです。」
あ「ええ、そうですね。」
に「っ、ははうえ、っ、嘘、ですよね?
先程まで、一緒に、笑って、、いたのに、、あと数日の命だなんて、、嘘、ですよね!」
あ「にちか、、いえ、嘘ではありません。受け入れなくてはならないことなのです。」
に「っいや、、いや、です。そんな、そんな、」
あ「…にちか、かなた、くいな、ひなき、、こちらへ…。」
ぎゅっ
あ「突然のことで驚きましたね、怖かったですね。
ですが、この事実は、受け入れなければなりません。
残酷なことに、この世には、いくら願っても変わらないこともあるのです。
しかし、私達はあとひとつだけ、出来ることがあります。
…お館様がいつも仰っているでしょう?
【人の想いは、不滅だ】と。
…私達は繋げなければなりません。綾波様の想いが途切れることのないように。
…ならば、貴方達なら、何をすべきなのか、わかりますね?」
「「はい。」」
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タコ(プロフ) - 三隣亡さん» ありがとうございます笑何か面白い酔っぱらい方無いかな〜と考えたらふと思い浮かんで書いちゃいました笑笑シリアス多めなので、たまにクスッと笑える所があれば、と思って、、、笑これからも頑張っていきます! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - 不死川さん、酒めっちゃ飲んだはずやのにおはぎバク食いしてるのオモロイwwwこれからも頑張ってください! (2020年11月11日 0時) (レス) id: 458cbba993 (このIDを非表示/違反報告)
snow - タコさん» 更新待ってました!これからも応援してます!頑張ってください!! (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» こんなにも暖かいコメントありがとうございます!最近あまりコメント無くて寂しかったのですが、snow様のおかげでまた自信を持てました!本当にありがとうございます!ご期待に添えるようこれからも努力して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年11月8日 22時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タコ | 作成日時:2020年9月22日 10時