本能と欲求と優しさ ページ7
彼女から漏れる息を逃すまいと、吸い付くように唇を重ねる。A姉さんと己の細胞をまじ合わせたくて仕方なくて、辛抱堪らず舌を差し入れれば、彼女は拒否する事なくそれを受け入れてくれた。
さらなる快感がビリビリと襲い、頭の中はもう真っ白だ。
ー何だ、これ...気持ち良すぎじゃないか...ー
人は何故異性を求めるのだろうと、A姉さんを意識し始めた頃から考えていた。
そりゃ昔からずっとこんな邪な気持ちを抱えていたわけではない。彼女の側にいれれば満足だったんだ。
けれど、いつの間にかそれでは飽きたらず、欲望は日増しに大きくなっていった。
彼女の側に【居たい】から【触れたい】に変わり、
次第に【交わりたい】に変わっていく。
俺は彼女の家族、弟、純粋に守るべき存在だったのにもかかわらずだ。
彼女の期待を裏切るような真似をしたくなかった。
汚くあさましい存在と思われたくなかった。
でもやっぱり人間の欲望とは抗えぬ物で、諦めるにも諦めきれず。
手を伸ばしたくても伸ばしちゃいけない。
美しく純粋な彼女を汚しちゃいけない。
してはいけない、いけない...我慢.......我慢...
ずっと
ずっと苦しかった
誰にも悟らせなかったけど、彼女への想いに押し潰されそうになり、人知れず涙を流してしまった夜もあった。
善逸達のように、自分の願望を素直に口にできるような器用な生き方が出来たら良かったのに。
それでも、そんな不器用な自分をA姉さんは優しく受け入れようとしてくれてる。
あぁ....罪な人だ。どれだけ俺を夢中にさせたら気が済むのか。
A姉さんも気持ちいいのかな?
都合の良いように解釈してると言われればそれまでだけど、俺を受け入れて、匂いも態度も満更じゃないように思う。炭治郎にとっては千載一遇のチャンスだった。今なら....きっと
「Aさん...あのっ...」
熱に浮かされた頭で必死に言葉を絞り出す。
「あの....身体に触れても、良いだろうか..?」
真っ赤な顔でそう問えば、彼女は一瞬動揺したような匂いを醸し出し、恥ずかしそうに目線を泳がせる。
すかさず優しく口吸いを施せば、その動揺の匂いもどこかへ消え去っていった。
彼女の柔い太腿をそっと撫でる。拒否の匂いはない。
「っ....」
そのままぐっと力を込めようとした時だった。
「ウーー..」
「「っ!...」」
いつの間にか横に首を傾げた禰豆子が立っているのに気づき、2人はあまりの驚きに手を止め固まった。
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八千代(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!頑張って更新しますので宜しくお願いします(*´-`) (2020年6月9日 13時) (レス) id: 5c1b6b975d (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - すごい面白いです!これからも頑張ってください(*´∀`) (2020年6月8日 20時) (レス) id: 20ef85385a (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 果鈴さん» ありがとうございます(*´-`)!かしこまりました。無一郎が夢主を好きな理由については少し語らせていただきますので、少々お待ち下さいね。 (2020年6月4日 7時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
果鈴(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白かったです!1つ思ったんですが、無一郎君が夢主を好きなのって、日寄さんの過去と同じようにしてるからですか?(語彙力無くてすみません) (2020年6月4日 6時) (レス) id: 71e0ecb3e1 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - みかやしさん» コメントありがとうございます!いやいやそんな大そうな文は書けてません(汗)でも、嬉しいですありがとうございます(*´-`) 頑張って更新しますね! (2020年5月24日 7時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年5月12日 19時