止まれない ページ6
ー私は、きっと炭治郎を好きになるよー
その言葉は衝撃だった。
突然放たれた言葉がにわかには信じ難く、空耳かとすら思った。裏付けが欲しいあまり炭治郎は恐る恐るこう聞き返す。
「それは、異性として?」
すると彼女はゆっくりと首を縦に振る。
その表情は美しい笑みを称えていた。
それを見た瞬間ドクンと心臓が脈打ち、辛うじて繋ぎ止めていた理性が呆気なく抜け落ちていった。
抗いようのない熱が、炭治郎を容赦なく飲み込んでいく。
彼女の唇に
口吸いしたい
したい
シたい
「っ.....」
わざとA姉さんの耳元へ唇を近づけ、熱い息遣いと共に欲望を囁けば、案の定彼女はびくりと体を震わせた。んっとくぐもった声を上げ身をよじる。
最低と思われるかもしれないが、彼女さえその気にさせてしまえば、そのまま行為に雪崩れこめると思った。
期待を裏切らない可愛らしい反応が、ビリビリと脳天を貫くような目眩を引き起こす。
「....可愛いなぁ」
無意識にそう溢れていた。
それは、自分が発しているとは到底思えない、欲に塗れた情けないものだった。
ー女の子を怖がらせちゃ駄目よ?ー
ふと甘露寺さんに言われた言葉を思い出す。
今、A姉さんはどんな思いをしてるだろうか。
恐怖してはいないか?
嫌悪してはいないか?
今にも彼女を襲ってしまいそうな己の体を必死に抑えこんで、注意深く感覚を研ぎ澄ましA姉さんの匂いを嗅ぐ。
そして
彼女から恐怖や嫌悪の匂いはしない。それどころか
「....炭...治郎」
A姉さんはとろんとした眼差しで、ぼーっと炭治郎を見つめていた。
全く警戒のない仕草、期待が込められた眼差し、クラクラするような甘く
それが、彼女の答えだった
「...失礼します」
緊張しながらも鼻先が触れ合う距離まで近付いた時、反射的にぎゅっと目を瞑り、体を硬らせた彼女をほぐしていくように、炭治郎は啄むような口吸いを落としていく。
改めて触れた彼女の唇は、やっぱり柔らかくて暖かい。あやすように彼女の頭を何度も優しく撫で、次第に密着する箇所を増やしていく。
「っん...ふ....」
「...は...っ」
彼女と口吸いしているなんて信じられない。
恐ろしく心地が良くて、このまま死んでしまっても構わないと思える位の快感。
もう..止まれない
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八千代(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!頑張って更新しますので宜しくお願いします(*´-`) (2020年6月9日 13時) (レス) id: 5c1b6b975d (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - すごい面白いです!これからも頑張ってください(*´∀`) (2020年6月8日 20時) (レス) id: 20ef85385a (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 果鈴さん» ありがとうございます(*´-`)!かしこまりました。無一郎が夢主を好きな理由については少し語らせていただきますので、少々お待ち下さいね。 (2020年6月4日 7時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
果鈴(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白かったです!1つ思ったんですが、無一郎君が夢主を好きなのって、日寄さんの過去と同じようにしてるからですか?(語彙力無くてすみません) (2020年6月4日 6時) (レス) id: 71e0ecb3e1 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - みかやしさん» コメントありがとうございます!いやいやそんな大そうな文は書けてません(汗)でも、嬉しいですありがとうございます(*´-`) 頑張って更新しますね! (2020年5月24日 7時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年5月12日 19時