素直 ページ35
Aは真っ赤になってこくこくと頷くしかなかった。
こんな
そう言っても、彼等は聞き入れてくれないのだろうけど。
ただ、Aの反応に無一郎は満足そうに広角を上げる。
「俺、Aのそういう顔見ると、ちょっと興奮するんだよね」
ー君の心を掻き乱してるみたいでさー
あぁ...わかってはいたけど、彼は存外サディスト気質なのかもしれない。私の反応や表情を見て、楽しんでいる節がある。
ただそれは純粋に、無邪気で、本能の赴くままに、
あどけない顔をして、とんでもない。
Aは諦めたように小さくため息をついたのだった....
「ところで、鉄穴森って刀鍛冶知ってる?どこにいるか探してたんだけど、見つからなくて」
炭治郎達のいる部屋に戻る途中に、彼はそう尋ねた。無一郎の以前の刀鍛冶が持病で亡くなった為、鉄穴森さんが新しい刀鍛冶となったらしい。
会ったことがあるし知ってはいるが、今どこにいるかまではわからなかった。
「...ごめんね。あ、炭治郎なら知ってるかも。多分、日輪刀を持ってたって事は鋼鐡塚さんには会ってる筈なんだ。」
そうこうしているうちに部屋に辿り着いたが、炭治郎と禰豆子は今もなお仲良く夢の中。
よっぽど疲れていたのだろう、A達の気配に気付く事なく、熟睡している。
そんな光景を見て、Aはふっと笑みを
無一郎は彼女の柔らかい空気に気付き、少しだけむっとして見せて、炭治郎の鼻をつまんだ。
「っ!」
勢いよく身を起こした炭治郎は、突然眼前に現れた無一郎とAの両者を見て、状況がわからずあたふたしていた。
「A姉さん、それに..時透君。何で君がここに」
「...炭治郎」
小さく頑張れとAが囁くと、彼は意を決してこう発した。
「この前は、投げ飛ばしたりしてごめん。」
炭治郎は大きく目を見開きしばらく無一郎を見つめていたが、やがて穏やかな眼差しに変わる。
「そんな事はもう俺気にしてないよ。俺も...ちゃんと君に謝りたかったんだ。大人気ない事たくさんしたし言ってしまった。ごめんね。」
炭治郎はAの方へちらりと目線をよこす。
その意図を察した彼女はすくりとその場で立ち上がった。
「私は席外すね。また後で来るよ」
多分、私抜きの方が2人は素直に胸の内をさらけ出せるだろう
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八千代(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!頑張って更新しますので宜しくお願いします(*´-`) (2020年6月9日 13時) (レス) id: 5c1b6b975d (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - すごい面白いです!これからも頑張ってください(*´∀`) (2020年6月8日 20時) (レス) id: 20ef85385a (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 果鈴さん» ありがとうございます(*´-`)!かしこまりました。無一郎が夢主を好きな理由については少し語らせていただきますので、少々お待ち下さいね。 (2020年6月4日 7時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
果鈴(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白かったです!1つ思ったんですが、無一郎君が夢主を好きなのって、日寄さんの過去と同じようにしてるからですか?(語彙力無くてすみません) (2020年6月4日 6時) (レス) id: 71e0ecb3e1 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - みかやしさん» コメントありがとうございます!いやいやそんな大そうな文は書けてません(汗)でも、嬉しいですありがとうございます(*´-`) 頑張って更新しますね! (2020年5月24日 7時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年5月12日 19時