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きっとご飯を食べてないだろう玉森くんのために、軽いおかずとおつまみを作り始める。
私は呑むのが好きだから手軽に作れる時短料理は得意中の得意で、玉森くんが出てくるまでに何品か作り上げた。
「…なになになに!?
めっちゃいい匂いする。」
リビングに入ってくるなり、すぐにテーブルの上を覗き込む玉森くん。
玉森くんこそ、髪が濡れたままでタオルを被ってる。
「あ、ごめんね。
勝手にキッチン借りちゃって。
玉森くん、ご飯まだだよね?」
「うん、食べてないよ!
…え、これいいの?俺に?」
「お口に合えばいいんだけど……」
最後の1品をテーブルに運ぼうとしたら、すでに椅子に座ってる玉森くん。
お腹を空かせた子どもみたいに、黙って手を伸ばして冷やしトマトを一口食べた。
「あっ!ちょっと、手掴み…!」
「いや、実はめっちゃお腹減っててさ。
嬉しいわ〜。Aちゃん、ありがとう!」
「…っ、うん」
そんな笑顔でお礼を言われたら、それ以上は何も言えなくて。
「飲み物どうする?」
平常心を保とうと、玉森くんに背を向けて冷蔵庫を開ける。
「ビールにしようかな。
Aちゃんも飲むでしょ?」
「私、明日も仕事だから飲めないの。
でも玉森くんは気にせず飲んで?」
「え、そうなの?残念だなぁ。」
缶ビールを玉森くんに渡すと、私も麦茶を入れたグラスを持って椅子にかける。
ぷしゅっといい音を立てながら缶ビールを開けた玉森くん。
「ん、」
「…ん?」
「乾杯」
「あ、あぁ…!お疲れ様!」
差し出された缶ビールにグラスを当てると、美味しそうに喉を鳴らしながらビールを流し込む玉森くんを横目に見る。
…いいなぁ。美味しそう。
「…うんっ!!!これ美味しい!!
ビールにめっちゃ合う!!」
「本当に?良かった!」
おかずを食べて大きく頷く玉森くんに嬉しくなる。
「Aちゃん、家でも飲むんだ?」
「え?」
「いや、だってこのメニュー、ほぼ居酒屋じゃん!
家で作って食べてるんでしょ?この数分で作ったわけだし。」
「…ははっ、まぁね……」
完全な飲ん兵衛のイメージがついちゃったよね。
もっと可愛くお酒に弱い女子になりたかったよ……。
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珠美(プロフ) - りょうこさん» りょうこさん≫コメントありがとうございます!励みになります(^^)これからも頑張りますので、よろしくお願い致します! (2021年7月5日 13時) (レス) id: 6cd37f4262 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています! (2021年7月5日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月30日 23時