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「玉森くんは明日も仕事?」
「ツアーの打ち合わせと夜はラジオがあるよ。」
「…そっか。本当に忙しいんだね。」
「Aちゃんは?明日何するの?」
「んー何しよう。
とりあえず、洗濯と掃除かな。」
夜は合コンだけど、それについては触れず。
昼間もきっと寝て終わるけど、最低限のことはやるつもり。
「あ、もう着くかな?」
「今日は鍵ある?」
「ちゃんとあるよ!」
マンションに近付くと、玉森くんが悪戯に笑って冗談を言う。
それに対してカバンから取り出したキーケースを印籠のように突きつける私。
「はいはい、わかったから!
ほら、また無くすからギリギリまでちゃんとしまってて。」
「はーい」
言い方が妹を宥める優しいお兄ちゃんみたいで、私は素直に従ってキーケースをカバンにしまった。
タクシーがゆっくりとスピードを落として、私のマンションの前で停まる。
「今日はありがとね。
次は私がご馳走するからね?いい?」
「わかったよ。
気を付けて帰ってね。
家に入ったら連絡してよ?」
「え、それ何の心配?(笑)」
「いや、今の世の中わかんないじゃん。
…あ、俺やっぱり部屋の前まで行こうかな。」
「えっ!?いいよ!大丈夫だから!」
タクシーが停まってからそんなやり取りをして、お互いに「じゃあね」って言葉が出てこない。
「…もう!じゃあ、行くね?」
「うん、おやすみ」
運転手さんが開けてくれたドア
体を外に向けて足だけを降ろす。
ふと思った。
次、いつ会えるんだろう……。
きっとまた、会おうと思えば会えるんだろうけど、玉森くんの仕事が忙しいのは事実で私から会いたいなんて言えるはずがない。
私も休みが明けたら、ソウルに行って、日帰り国内線からのホノルルが待ってる。
下手したら1ヶ月先まで会えないこともあるかもしれない。
「……Aちゃん?どうしたの?」
「……」
「気分でも悪い…?」
様子が変わった私に気付いた玉森くんは心配そうに声をかける。
ううん。気分は悪くない。
もう少し。
もう少しだけ。
「…やっぱり、上がってく?
インスタントで良ければコーヒーあるけど」
一緒にいてほしい。
……こんな気持ち、初めてだった。
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珠美(プロフ) - りょうこさん» りょうこさん≫コメントありがとうございます!励みになります(^^)これからも頑張りますので、よろしくお願い致します! (2021年7月5日 13時) (レス) id: 6cd37f4262 (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています! (2021年7月5日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月30日 23時