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結局サブスクの映画を何本か観て、今週は仕事で相当疲れてたのか途中からAちゃんは俺に寄りかかりながら寝ちゃってた。
その可愛らしい寝顔を見ると俺の心が締め付けられて、やっぱりちゃんと付き合って恋人らしいことしたいなって。
今だって手を伸ばせば彼女に触れられるのに、それをすれば嫌われてしまう可能性もあるわけで。
俺の腕に絡めたAちゃんの手を遠慮がちに握りしめたら、ゆっくり顔を上げたAちゃんが俺を見つめる。
「ごめん…起こしちゃった…?」
「…ううん……」
眠そうにゆっくり何度も瞬きしてる。
その表情が妙に色っぽくて……
「太輔くんの手、やっぱり大きいね」
小さな声で呟いてギュッと握り返された。
その瞬間に脳裏に浮かんだ、行為中にも俺の手を握って乱れてたAちゃんの姿ー…
口角を上げて微笑んだAちゃんに吸い寄せられるように顔を近付けると、そのまま触れた唇。
深く深く……
舌を絡めて徐々に荒くなる呼吸。
わかってる。
こんな関係よくないって。
わかってる。
ハッキリさせなきゃって。
だけどそんなこと話したら、もう二度とAちゃんが俺の前で笑ってくれないんじゃないかって考えたら怖くて。
連絡がとれなくなったあの時、生きた心地のしなかったあの時間がまた来るのが怖くて。
ズルいのはわかってて、結局俺はAちゃんを求めずにはいられなかった。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年9月15日 12時