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夢と現実の間で、遠い意識の中で聞こえてくる物音ー…
「A…?」
呼びかけと同時に一瞬ふわっと沈んだベッド
ゆっくりゆっくり目を開けて、声のする方に体の向きを変える。
「…あ、出たんだ」
「うん」
「ごめん、先寝ちゃって…、」
そう言いながら体を起こそうとした時、覆い被さるようにして抱きしめてきた巧見の行動に固まった。
「…っ、巧見……?」
「……」
「どうしたの……?」
いつもと違う巧見の態度に感じる違和感。
同時に思った、
こんなに甘えてくるなんて何かあったんだって。
「ねぇ…どうかした?何かあったの?」
いつも偉そうなことばかり言って、ムカつくほど自分勝手で、こっちの気持ちなんてお構いなしの巧見の弱った姿に燻る私の母性本能。
こんな男を心配するなんてどうかしてる。
ひどい事もされた。
たくさん傷付けられてきた。
大好きな気持ちを踏みにじられたのにー…
巧見の背中に腕を回すと、温かくて大きな体に包まれるこの感覚が心地よく感じた。
「Aの新しい男ってどんな奴?」
「…え?」
「いるんだろ?好きな人」
咄嗟に体を離して巧見の顔を見ようとしたら、それを阻止するように腕の力をさらに強められた。
何度離れようとしても力では敵わなくて、
「答えて」
耳元で聞こえる巧見の低い声にドクンっと心臓が締め付けられた。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年9月15日 12時