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《太ちゃん、このままでいいの?》
「……」
《Aのこと、好きだったんじゃないの?》
「いや、俺はそんな…」
《やることやっといてそれはないでしょ》
「は?なんでそれ…、
《Aが謝ってたよ》
「…え?」
謝ってた?茜に?なんで?
《亮くんの代わりになるって言ったんでしょ?》
「…言った、かな」
《かな?覚えてないの?》
「いや、言った。うん、言った」
なんで茜に説教されてたんだ、俺。
《詳しいことはAも話したくないんだろうけど…、
久しぶりに優しい言葉かけてもらえて嬉しかったってA言ってたよ。その優しさに漬け込んじゃって申し訳なかったって》
絶対そんなことない。
世の中の男がAちゃんを放っとくわけないし、望めば何だって叶えてもらえる。
俺なんかのそんな言葉で彼女が救われるなら、どんだけ漬け込まれたって俺は全く気にならない。むしろ大歓迎だ。
それに申し訳ないって謝られると余計に辛い。
行為自体を否定された気がして、俺らのあの夜を後悔されてるような気がして。
だから俺にはもう会わないってこと?
《やっと亮くんとの関係にも終わりが見えてきて、太ちゃんならAのこと変えられるって思ったんだけどね。太ちゃんの優しさが逆にAには辛かったのかなぁ…》
「……」
《まぁ、いいや。
また時間合う時に飲みに行こ!》
「…あぁ、うん」
《もちろん2人でね》
彼女に声をかけたところで来てくれるとは思えないけど、もし奇跡が起きて来てくれるなら俺は喜んで迎え入れる。
そして会って伝えたい。
もっと、ちゃんと向き合って、今まで以上に君を支えられる存在になりたいと。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年9月15日 12時