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あれから太輔くんと連絡を取るのをやめた私。
一夜限りの関係なんてよくあることなのに、2回目があってもいいかなって思って食事にも行ったけど。
正直芸能人とかジャニーズとかそんなことはどうでもよくて、話してるテンポとか心の距離感とかが凄く心地良く感じて。
それがまた、巧見と重なって見える部分もあって、これ以上関係を続けるのが苦しくなった。
「ねぇ、太ちゃんとどうなの?いい感じ?」
「もう連絡とってないよ」
茜のお気に入りのパスタの店にランチに行くと、席に座るなりすぐにその話題に触れてきた。
きっと2人のことだから、私のことを知ってる上で聞いてきてるんじゃないかと悟った。
「えっ?!なに、もう切り捨て?」
「切り捨てって…」
「ねぇちょっとー…
一応私の幼馴染なんだから優しくしてよね」
「別に悪いようにはしてないって」
メニューを見ながら【本日のパスタランチ】の内容が気になってどこかに書かれてないかと見回した時、
「おっ、お二人さん!お疲れー!」
入口からちょうど入ってきた巧見が店員に何やら説明して私たちの方へと歩いてきた。
「あれ!?亮くん!なんでパスタなの?」
「え、なんで?俺もパスタくらい食うけど」
茜と話しながら当たり前のように私の隣に座ってきて、巧見と一緒に来た後輩も恐縮しながら席についた。
えっ、待って。なんでこの席なわけ?
違う席に案内されるんじゃなかったの?
「へえー本日のパスタランチって何だろ?」
私が見てたメニューを横から覗き込んで、巧見が呟いた言葉が私の心の中と全く同じことに嫌悪感を抱きつつも、やっぱり通じ合う何かに胸が締め付けられる。
「私タラコと大葉の和風パスタにしようかな。Aは?」
「んー…ナスとベーコンのトマトパスタにする」
巧見と同じものを頼みたくなくて、人気No.1と書かれた無難なパスタを選択する。
「んじゃ俺もそれにしよーっと!」
……え?だからなんでよ。
なんで同じやつにするの。
「この水もらっていい?」
「えっ?ちょ…自分の、」
「だって俺らの水来てないし」
店員さんが忘れてるのか私と茜の水しか用意されてなくて、私の前にあったグラスを当たり前のように手に取った巧見。
私の表情を見た茜が「あっ、水もらおっか…!」って焦って店員を呼んだ。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年9月15日 12時