【名前変換オリジナル】いろんなタイプの恋人とII

受動的 ページ7

『君は…受動的だね』

​──彼女は僕にそう言った。

洋「はぁ……。」

太郎「でかいため息だな」

洋「受動的って何…？」

太郎「何ってそりゃ、受け身、とかそういう事じゃね？」

受け身。
それはきっと、僕に積極性がない
そう伝えたかったんだろう。

太郎「彼女か？」

洋「彼女ぉ…」

太郎「そりゃお前、どうせまた自分から連絡してないんだろ」

洋「…」

図星である。
そんな事言われたってしょうがないのだ。

洋「だって何話したらいいかわかんないんだもん」

太郎「ばか、そんなの彼女だって一緒に決まってんだろ」

洋「でも彼女はいっつも普通そうだぞ」

ついつい反論してしまう。

太郎「普通かどうかなんて彼女にしか分かんないだろ。」

あぁ。太郎の方が彼女の気持ちをわかっている気がする。
あぁ。僕は一体どうしたらいいというんだ。

…口下手なんだよ。

太郎「そんなあからさまに絶望した顔すんなよ」

洋「僕に彼女の気持ちを汲み取るなんて無理だ…。」

太郎「別に誰も汲み取れなんて言ってねぇよ、素直になれって言ってんだ」

太郎、かっこいい。なんてこった。カッコイイぞ。

洋「素直になった結果がこれだよ」

太郎「甘えんなよ！それは素直じゃねぇよ！」

怒られてしまった。
…確かにまぁ、これは甘え、なのかもしれない。

太郎「お前最初の方は彼女から『君から連絡してきてもいいんだぞ！』って言われてたのに」

洋「うん」

太郎「最近彼女も何も言わなくなったじゃねぇか！諦められてんぞ！」

なんで知ってるのかは疑問だが、
その通りだとは思う。

洋「素直になる方法がわからん」

太郎「いいか、きっとお前の彼女は、お前から『あ』とかメールが来るだけでも喜ぶ。」

洋「はぁ？」

ちょっと良く分からないことを言い出している。

太郎「とにかく、何でもかんでも彼女の行動を待つのがいけないんだよ。今すぐ彼女にメールしろ。」

洋「えっ、無理」

太郎「はいだめーそういう所だぞー」

とっさに断ってしまった自分が悔しい…。

太郎「こんにちは、って打ち込め。」

洋「…今日はくらいなら。」

…指が動かない。
僕はこんにちはすら言えないのか？

太郎「…そういう事だ。」

太郎がそう言った。
あぁそうか、彼女はいつも1人でこの気持ちを感じていたんだ。
やっと気づいた気がする。

ー受動的ー

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