【名前変換オリジナル】いろんなタイプの恋人とII

春夏秋冬 ページ42

A「あづい」

洋「まだ5月なのになー。」

A「こたつしまわなきゃ」

洋「たしかに。」

お互いのんびりした性格ゆえ、ついつい先延ばしにしてしまい、私たちの部屋は春夏秋冬が詰まっている。

A「せんぷうきつけて」

洋「いいけど、よく考えたらこれ去年からずっとあるよね」

A「ほんとだよね、なんでしまってくれないのよー」

洋「え、俺？？」

A「おれ！」

他愛もない会話が愛おしい。
部屋の中の物ひとつひとつに目を向けると、ひしひしと片付けないとなぁ、という気持ちが湧いてくる。

洋「あー、これほら、一昨年キャンプ行った時のランプ、電池きれたやつ」

A「まだつかえるよー、なついね」

片づけたいけど、思い出があってなかなか進まないんだよなぁ…なんて考えていつもそのままだ。
せっかくだから思い出を振り返ろう！そう思って色々手にしてみる。

A「これも一昨年ので、これはその前の！」

洋「ふふ、てか…そんなに一緒にいるんだな、ずっと。」

A「あ…たしかに！」

なんとなく過ごしてて、気づいていなかったけど。

A「一緒の記憶ばっかりだねぇ」

洋「そうかー…」

彼は腕を組み、難しい顔をした。
そして、ひとしきり「う〜ん」とわざとらしく唸ったあと、私の方を向いて珍しく真剣な顔をした。

A「な、なに！そんなに見られたら緊張する」

洋「こんなに一緒にいるのに緊張とかあんの？」

A「あるよー！」

彼はふっと笑って、私の手を握った。

洋「これからもずっと一緒にいような。」

言った後に恥ずかしくなったのか、すぐに手を離して後ろを向いた。

A「ずいぶんありきたりな言葉だなぁ、もっと確証が欲しいなぁ、あれーーーーー」

足りなくて、茶化してみた。

洋「あーあーうるさい！俺がもう少し安定したら俺の苗字やるから、もっとかっこいいこと言うから…」

真っ赤な顔でそうもごもごつぶやく彼はとっても愛おしい。

A「はいはい、信じとるよ〜」

ー春夏秋冬ー

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