もしかして好き? ページ4
風花「ありがとう!」
今日はもう他人の目なんて気にしない。
自分の思うままの自分でいよう。
少しドキドキしながら傘をさしてる俊ちゃんの隣に並ぶ。
ふたりで雨の降りやまない坂道を登る。
俊介「風花、最近クラスはどう?」
風花「うーん、ま、まあまあかな。あ、でも、友達はできたよ。」
正直言って、クラスであんまりうまくいってない。
でも、俊ちゃんに心配かけるわけにはいかない!
むりやり笑顔をつくる。
俊介「そうか。それならいいけどな。なにかあったら俺に言えよ。」
風花「うん。」
しばらく無言の間が続く。
俊介「風花、あのな、聞きたいことがあるんだ。」
いきなり、俊ちゃんが切り出してきた。
風花「えっ、ななな、なに?」
もしかして私がクラスであんまりうまくいってないことばれた??
俊ちゃん勘が鋭いからなぁ。
は、はやく話を変えよう……!
風花「あ、そそ、そういえば数学で分からないところがあるから教えて!!」
いきなり大声で聞いてきた私にはじめは少し驚いていたけど、すぐいいよと言って教えてくれた。
俊ちゃんの教え方は私にとっては先生より分かりやすい。
そして、あっという間に私の家まで着いた。
俊介「あ、風花。家着いたぞ。」
風花「あっ、うん。今日はありがとう。ばいばい。また明日。」
俊介「ああ。また明日。」
俊ちゃんが手を振って歩いていく。
私も思いっきり手を振る。
もう俊ちゃんと話す時間が終わっちゃったなー。
そう思ってから気がついた。
ん?私、俊ちゃんと話したかったの?
別に好きな訳じゃないのに。
って、え!?
わ、私、どうしたんだろう……。
発想がなんでそういうふうになる!?
もしかして……私、俊ちゃんを?
いやいや、まさか、そんなわけない!
私はとりあえずこの気持ちにふたをすることにした。
風花「(ガチャッ)ただいまー!」
気づけば、雨上がりの空には虹がかかっていた。
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作者名:ありす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2019年10月30日 21時