私の心は雨で濡れる? ページ3
ま、眩しくて目が開けられない!
と思ったのもつかの間。
その光はだんだん弱くなって、そこはいつもの平凡な空気が流れてるだけだった。
さっきのはなんだったんだろう。
ぽかんとしたまま立ち尽くしていると先生の教室に戻ってーと呼び掛ける声が聞こえた。
はっ!行かないと!!
慌ててトイレから出る。
教室までなんとか着いた。
まだ先生は来ていない様子。
ふぅ、なんとかセーフだー。
一部の男子に、あー!遅刻ー!って言われたけどなんて言えばいいか分からず、無言でうつむいて通った。
いつもの様に席につく。
その直後、先生が入ってきた。
絵里「これから帰りの会を始めます。
明日の予定は、一時間目 音楽……六時間目 理科です。」
絵里はすごいなぁ。
いつも明るく元気、勉強も運動もできる。
学級委員で頼れるリーダー。
私とは身分違い。
絵里「立ってください!」
あっ、立たないと。
慌てて立ち上がる。
絵里「気をつけ、さようなら!!」
クラス「「「さようなら!!」」」
みんなドタバタ帰っていく。
私は、絵里を待つ。
最近は、俊ちゃんと帰っていると女子からの目線がこわいから。
よし、絵里を呼んでこよう。
絵里に向かって一歩踏み出した時。
女子A「絵里ー!一緒に帰ろー!」
絵里「いいよっ!!」
女子B「私も一緒に帰ろー!」
絵里「もちOK!」
先、行かれちゃった。
ここで固まってる私に気づいたのか、絵里が近づいてきた。
絵里「風花も一緒に帰る?」
風花「わ、私は部活あるからいいや。」
絵里「そっか。部活がんばってね!」
風花「うん。ばいばーい!」
せっかく誘ってくれたのに、断っちゃった。
今日は部活ないのに。
昇降口までとぼとぼ歩く。
そんな私の心に反応したように雨が降ってくる。
ああ、傘持ってないや。
しばらく雨宿りしようと屋根のあるところへ行くと、
俊介「風花ー、一緒に帰ろ。」
風花「俊ちゃん。あっ、でも私傘持ってないから……」
俊介「入れてやるよ」
風花「えっ、で、でも……」
なんか私、ドキドキしてる!?
俊介「ほら、帰るぞ。」
というと私の背中を押す。
な、なんでドキドキしてる!?
いつもは普通に話せるのに!?
押されるがままに進んでいく。
俊ちゃんが傘を開く。
俊介「ほら、入れよ。」
ざあざあ降る雨に負けずに、私に笑いかけてくれる。
今日くらいは一緒に帰ろうかな。
私の心は雨なんかで濡れない。
雨になんか負けないんだから。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ありす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2019年10月30日 21時