48 Tside ページ49
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気付いたら菜々子がいなくて。
どこ行ったんだよ……っ!!
新刊の漫画なんか、もうどうだって良かった。
やっぱり手を離すんじゃなかった。
店内だろうと どこだろうと、不安なんだよ。
少し見失ったくらいで大げさかもしれないけどさ。
もう…失いたくない。
ずっと俺のそばに置いておきたい。
なんて言ったら束縛だって言われるかな?
だけど…あの時……君の前から消える瞬間、思ったんだよ。
もしもまた、君の隣にいられるなら…
絶対にその手を掴んで離さないって。
大事なもんを二度と手放したりしないって…。
店の外に出たら、少し離れたところに 君はいた。
「菜々子!!」
名前を呼ぶと、驚いた様子で振り向く。
「玉森くん!良かった…。」
「良かったじゃねーし!気付いたらお前いないし、漫画どころじゃなくて店内探し回って、それでもいないから店の外まで探した…。」
違う、こんな事言いたいんじゃなくて。
「ごめんなさい…参考書探しに…って玉森くん?!//」
俺が怒ってると思ってシュンとする菜々子の身体に腕を回して抱きしめた。
「ここ…外だよ!// 離し「離れんなよ…頼むから。」
離すもんか。
お願いだから、俺から離れないでよ…。
もうあんな思いしたくない。
「玉森くん、私はちゃんとここにいるよ…?」
菜々子の言葉に腕を緩めると、俺を見上げて 優しく微笑む。
「ごめんね 不安にさせちゃったよね…。大丈夫だよ、玉森くんの前からいなくなったりしないから。だって、玉森くんの事……大好き…だから//」
「…もっかい。」
「え?」
「もっかい言って。最後のとこ。」
みるみるうちに赤くなる菜々子。
「い、言わないっ!///」
「ちぇっ、ケチ。」
「ケチじゃないもん!」
こんなやり取りすら、愛おしくて幸せなんだ。
「…俺も、大好き。」
これからもずっと
変わることなく
俺は、君を大好きだ。
˙˳⋆fin˙˳⋆
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時