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「玉っ!!」
「お、千賀じゃん。」
今日は玉森くんの退院の日。
目を覚ましてから1ヶ月で リハビリに明け暮れた玉森くんは、驚くほどの回復力を見せた。
「半年以上ぶりの玉…良かった、また会えて…っ!」
まさかの千賀くんの大号泣。
「何言ってんだよ、この間会ったばっ」
「玉森くんっ!!」
慌てて玉森くんの口を抑える。
この間は玉森くんは眠ってたからね。
「え?この間?」
「いや、なんでもない〜(笑)」
3人で 中学校までの道のりを歩いた。
もうすぐ12月も終わり。
「3人で登下校したことはなかったね。」
ふと千賀くんが呟いた。
「確かに(笑)」
「俺もお前らと同じ方向だったら良かった〜。」
「玉森くんは私たちと逆だもんね。」
「そうだ、千賀に報告があるんだ〜。」
「え?俺に?」
「ね?菜々子♪」
「た、玉森くん…//」
「え、え?もしかして2人…?//」
「そ〜、そのもしかして〜!(笑)」
そう言いながら私の肩を抱き寄せる玉森くん。
「マジ…?!うわ〜っ、おめでとうっ!!!」
千賀くんはすごく喜んでくれて、私たちもつられて笑顔になった。
「それじゃ、この後塾があるから。後はお二人で仲良くね? 」
そう言って、帰っていった。
「千賀くん、土曜なのに大変だね。」
「ん〜。」
「玉森くんと会えて、千賀くん喜んでたね!」
「ん。」
さっきから、「ん。」とか「ん〜。」しか言わない玉森くん。
「ねぇ、千賀くんに会えたの嬉しくないの?」
「…違ぇし。」
「じゃあなんで…」
「もう俺と2人なんだからさ、千賀の話は良くない?」
むすっとした顔で私を見る。
ひょっとして、ヤキモチ…?
思わずニヤニヤしていると、
「ムカつく…//」
そう言いながら、私の手を取って歩き出した。
手を繋いで 私の家まで帰る。
当たり前のようなこの幸せが、当たり前じゃない事を…私たちは知っている。
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時