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玉森くんが私の前から姿を消して、1週間…






コンコンコンッ




ガラガラッ




病室に入ると、玉森くんが眠っていた。




お母さんは午前中に来たのだろう、新しくお花が生けられていた。




一命を取り留めた玉森くんは、今も眠ったまま。





「…玉森くん、生きててくれてありがとう。」





目が覚めたら…玉森くんはなんて言うかな?





もしかして、全部忘れちゃってるとか ないよね?





「……玉森くん、私も大好きだよ?」




きっと、玉森くんよりずっと前から。




少し痩せて細くなってしまった玉森くんの手を握る。






ギュッ…






え………?




いま、握り返して…?




ビックリして、玉森くんの顔を見ると、





「た…に、もと?」





うっすらと開いた目。





掠れた声で、確かに私の名前を呼んだ。





「…玉森くん。」





「……俺、生…きて…る?」





「うん…っ、うん、生きてるよ…っ?」




私の手から 玉森くんの手が離れて、その手が私の頬に伸びる。




「…やっと、触れられた。」




ふわっと笑う玉森くんの目から、一筋の涙が流れた。




「玉森…くんっ、良かった……っ!」




溢れる涙を、優しく右手で拭ってくれる。




「もぉ、泣きすぎ…(笑)」




「…玉森くんだって、泣いてるじゃん…。」




「んふふ…どこかで聞いたやり取りだ。」





「覚えてるの…?」




「うん。」




「…忘れちゃってるかなって思ってた。」




「…俺さ、あの時、もう谷本に会えないなって……思ったんだよね。」




「…うん。」




「そしたら、なんか…ちゃんと伝えるべきなんだなって思った。いつ伝えらんなくなるかなんて、分かんないじゃん…?」




「うん。」




「あの時も言ったけど…もう一回、聞きたい?」




「…聞きたい。」




「…分かった// …ちゃんと聞いとけよ?」




「玉森くん。」




「ん?」





今度は私が伝えたいの。




玉森くんが私に伝えてくれたように。




「…玉森くんが大好きだよ。」




「は?!// ちょ、ちょっ、今 俺が…」




「生きててくれて……ありがと…。」




言い終わる前に、玉森くんは私の腕を引っ張った。




バランスを崩して 玉森くんの胸の上に上半身が乗っかっちゃって。



「わっ…ごめん、痛かった?!」

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設定タグ:玉森裕太 , 千賀健永 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時

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