35 Tside ページ36
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「俺が1番に座りたかったのに〜!」
思わず大声で叫んだ。
っと…起こしちゃう。
…いや、大丈夫か。
俺の声、聞こえないもんね?
「もぉ〜!!」
谷本だから、許してあげなくもないけどさ。
「谷本…ごめんな、一緒に学校行けなくて。」
いつも病室を出る時に見せる 寂しそうな顔がずっと頭を離れなくて、申し訳なくて。
「…だよ………たのに。」
…びっくりした。
寝言か?
一瞬、俺と会話してるみたいに感じた。
そんなわけないけど。
「いつも会いに来てくれてありがとね。」
高校入ったら 課題とか勉強も大変なのにさ、俺にわざわざ会いに来てくれてるの…嬉しいよ。
「いいの…私が会いたくて会いに行ってるんだから…。」
え……?
えっと、……思考停止。
いま、俺の声に反応した?
…それだけじゃない、会話が…成り立った?!
「は?…あの…え?!…た、谷本?」
期待と不安と、いろんな感情が混ざり合って 興奮気味に谷本の名前を呼ぶ。
「ん、何?…玉森くん〜」
ホントに…聞こえてるのか?
「…制服、ブッカブカじゃん。サイズ合ってんの?」
試しに、わざとそんな事を言ってみた。
すると、穏やかな寝顔だったのが しかめっ面になったかと思ったら、
「…皆そうだもんっ!!」
って、大声を出すから あまりの驚きに、言葉を失ってしまった俺。
「夢…かぁ…。」
…いや、夢じゃないんだケドっ?!
眠そうに目をこすり、顔を上げる谷本。
……の目線の先には、俺。
見つめ合う事……数秒。
「わっ!!!……えっ…えっ?!!」
信じられない、そう顔に書いてある。
そんなの、俺だってそうだよ(笑)
「やっぱり、聞こえてたんだ(笑)」
やっと、君と目が合った。
気付いてくれた。
それがどんなに俺にとって嬉しい事か、
…分かる?谷本。
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時