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やがて、谷本以外の生徒は皆いなくなっていて。
静かな教室に俺と谷本の2人。
この光景…中1の体育祭の放課後を思い出す。
前の席の椅子に、後ろ向きに座る。
日誌を書き終えたのか、席を立つ谷本。
帰るのだろうと、その様子を見ていると、
「玉森くんの机、誰も座らないから可哀想。」
不意に俺の名前を口にした谷本。
俺の席の椅子を引いて、ストンと座った。
「…早く会いたいよ。」
机に突っ伏したと思えば、そのまま規則正しい息遣いが聞こえてきた。
マジで寝ちゃった…。
しかも、俺の席で…(笑)
寝顔…初めて見る。
…睫毛長いな〜。
肌白いな…俺より白い?(笑)
サラサラの黒髪ロング。
ポニーテールなのは、変わらない。
そっと髪に触れてみるけど、やっぱり触れられない。
スッと俺の手は透けていく。
「…ふふっ」
あ、笑った。
なんの夢みてるの?
…俺の夢?……なんつって。
「そこ、俺の席なんですけど〜。」
嫌味っぽく、そう言ってみるけど、起きる気配はしない。
「谷本は前の席でしょ?」
顔を覗き込むけど、スヤスヤと それはそれは気持ち良さそうに寝ている。
てか、今思ったけどさ…
新品の机と椅子!!
中学の古くて木が剥がれかけてるのと違って、めちゃくちゃツヤッツヤの机と椅子。
なんで、俺より先に谷本が座ってんの?!
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時