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先生に手伝いを頼まれて、終わって教室に戻ると、千賀も谷本ももういなくて。



「あ、玉森くん、千賀くんならもう帰ったよ。」



「そうなの?」



「谷本さんと2人だったよ。」



「あー、あいつら方向同じだもんな。」



「…いいの?」



「は?何が?」



「ううん、何でもないよ。じゃあね。」




クラスであまり喋った事のない女子に、俺の気持ちがバレていた。



そんなに分かりやすいのか、俺は。









あれから普通に話せるようにはなったけど、やっぱり 関われば関わるほど、欲が出てしまう。




谷本が、千賀じゃなくて 俺を好きならいいのに。




……俺も、谷本と同じ方向に家があったらいいのに。




谷本の下の名前…俺だって呼びたいよ。









次の日、ある変化に気付く。



「あ、玉おはよ!」



「おはよう玉森くん。」




いつも通り、千賀と谷本が話している。



…んだけど、




「へぇ、谷本ってピアノ習ってたんだ。」



「うん、幼稚園の頃から。もうやめちゃったけどね?(笑)」







聞き間違いと思ったけど、違った。




「バイバイ谷本〜!」



「バイバイ千賀くん、玉森くん。」



「あ、バイバイ…。」









「なぁ、千賀?」



「んー?」



「お前…谷本の名前…」



「あ、玉〜、寄り道してこ!」




俺の言葉を遮って、いつもの公園のベンチに腰を下ろす。




「今日のテスト、どうだった?」



「え、まあまあ…あ、数学が90切ってた。」



「ふーん。」



「千賀は?」



「俺はオール90点後半だよ〜」



「うわっ、嫌味だ!!」



「んははっ(笑)」





子どものはしゃぐ声が公園に響く。




会話が途切れた俺たちの間に、しばらく流れる沈黙。




「俺、谷本に告ったよ。」




「…そう、なんだ。」



「振られた。」



「え?」





なんで?



千賀は谷本が好きで…谷本も千賀が好きなんじゃ……?




何も言えないでいる俺を見て、千賀が ニヤッと口角を上げた。

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設定タグ:玉森裕太 , 千賀健永 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時

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