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2年になって数ヶ月。
「千賀〜!購買行こ。」
「玉。うん、じゃあね!」
谷本と話していた千賀を、購買に誘って連れ出した。
俺は、千賀と仲良くなった。
俺が千賀と仲良くなれば、谷本と話す機会も増えるから。
人懐っこい性格で、誰とでも分け隔てなく接する千賀だから 俺にもすぐに懐いてきた。
「あれ、玉 いつもよりおにぎり一個多くない?」
「ん〜?そう?」
不思議そうな千賀。
教室に戻ると、1人で黙々とお弁当を食べている谷本がいた。
俺と同じで、クラスメイトとは普通に話すけど 特定の人と仲良くつるむ事はないみたい。
「谷本。」
俺が呼ぶと、顔を上げた。
「え?…って、わわっ!!」
さっき余分に買った鮭おにぎりを谷本に向かって投げ渡す。
「お裾分け!そんなんじゃ、ガリガリになるよ?」
周りの女子よりも更に一回り小さなお弁当箱。
ちゃんと食わねーから、そんな華奢なんだよ。
慌ててキャッチしたと思えば、俺を見て困った顔で、
「こんなに食べられないよ?」
なんて言う。
「え、何〜?聞こえない!」
無理してでも食べてよ。
折角、谷本の為に買ってきたんだから…。
お昼休みギリギリに、ようやくおにぎりを平らげた谷本は、
「お腹いっぱいで苦しい!」
って、ちょっと不満そうだったけど、でも…ありがとって言って笑った。
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時